注意欠損多動性障害(ADHD)ってご存知ですか? [癌以外の医療情報]
購読している医療情報メールから気になるニュースが飛び込んできたので、今回は食べ物と健康にふれてみたいとおもいます。
長文になってしまったうえに画像も1枚もありません。m(__)m
ふじくろも注意欠損多動性障害(ADHD)について詳しいことは知りませんが、注意力が散漫で傍目には「落ち着きのない子供」と思われるような行動を起こすらしいですね。
発達障害または行動障害のひとつなんだそうです。
この注意欠損多動性障害(ADHD)でなくても
活動過多、衝動的、注意散漫といった行動特徴を示す子供がいるそうです。
物の管理ができないとか、物事を最後までやり遂げられないとか.....
そして「その行動特徴は食べ物に関係しているかもしれない」という研究結果(論文)がLancet(ランセット)という雑誌に載りました。
注)Lancet(ランセット)は、世界五大医学雑誌の1つで英国外科学会が発行しています。
世界的に強い影響力を持っていて、日本でも翻訳が多く出回り、医療関係者でLancetをご存知ない方はおそらくいらっしゃらないと思います。
この研究結果によると「合成着色料と食品添加物(AFCA)の日常的な摂取が、そうした行動を引き起こす可能性を示した。」そうです。
注)AFCF : artificial food colour and additives (合成着色料と食品添加物)
昔からなんとなく合成着色料や食品添加物は、たとえ食品衛生法(日本)で許可されているものでも、直感的に「あまり健康には良くないんじゃないか」と思ってました。
(なんの根拠もありませんケド....)
でもこうして信頼性の高い研究結果(論文)が出てみると「あ〜、やっぱりよくないのね。」と思ってしまいます。
ふじくろは専門家ではないので、簡単にご紹介したいと思います。
誰が実験(試験)したのか?
英国Southampton大学のDonna McCann氏ほか
どんな実験(試験)か?
合成着色料と食品添加物を入れた飲み物と、入れていない飲み物を被験者に飲ませて比較した。
味、におい、外見は全く同じで区別することはできない。
注)イギリスで許可されている合成着色料と食品添加物なので、決して人体実験などではありませんよ。
イギリスの子供たちが普段の生活で普通に口にする成分ですから、実験に参加してなくても摂取しているものです。
実験(試験)ではどのくらいの量の合成着色料と食品添加物が使われたのか?
3歳児 ; 小袋の菓子2袋とほぼ同じ量の合成着色料
8〜9歳児 ; 菓子2袋分〜菓子4袋分の着色料に相当する合成着色料
被験者は誰か?
英国の3歳児153人と8〜9歳児144人
活動過多、衝動的、注意散漫といった行動特徴が現れているかどうかの判断は、誰がどうやってしたのか?
教師、親、外部の観察者による評価と、コンピューターによる検査
(詳しくは↓ ここからコピーペーストでやや専門的になります)
*簡略化ADHD評価スケールIV(教師用)・・・過去1週間に、特定の行動が見られた頻度を教師に尋ねる
*親による評価・・・3歳児には簡略化Weiss-Werry-Peters(WWP)多動スケール、8〜9歳児には簡略化ADHD評価スケールIV(親用)を適用し、過去1週間の行動を点数化
*心理学を専攻する大学院による評価・・・教室で週3回8分間ずつ子供を観察しADHDの症状が見られるかどうか評価
*8-9歳児にはコンピュータを用いた注意力に関する検査Conners continuous performance test II(CPTII)
(コピーペーストおわり)
結果はどうだったのか?
研究者達曰く、「子供一人ひとりのAFCAに対する反応には差があるものの、合成着色料、安息香酸ナトリウムを摂取すると、一般の集団の中の3歳児と8〜9歳児の多動が増すことが明らかになった。どの成分が特に有害なのかは、今後確認していく必要があるが、得られた結果はAFCA規制(合成着色料と食品添加物の規制)に大きな影響を与えるだろう」
論文はどこで読めるのか?
Lancetのホームページにあります。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673607613063/abstractただしここで読めるのはsummary(要約)で全文を読むにはLancetの会員登録が必要です。
タイトル:「Food additives and hyperactive behaviour in 3-year-old and 8/9-year-old children in the community: a randomised, double-blinded, placebo-controlled trial」
この実験に使った合成着色料と食品添加物は日本でも使われているか?
日本の食品衛生法でも許可され使用されているものがありました。
黄色5号,黄色4号,赤色102号,赤色40号と安息香酸ナトリウム
今の段階では「合成着色料と食品添加物は子供の多動性を高める可能性がある」ということしかわかっていません。
どの成分が作用するのか?
成分同士の相乗効果があるのか?
作用のメカニズムは?
遺伝子との関連はあるのかないのか?
などなど、わからないことはたくさんあります。
ここからひとりごと.....
この状況は、巷の刑事事件などに例えると(勝手に例えてしまいますが....)
容疑者Aと被害者Bは金銭問題でもめていた。
容疑者Aの部屋には被害者Bの指紋があった
被害者Bは容疑者Aの部屋を訪れた直後から行方不明になっている。
みたいな状況で
容疑者Aが「部屋に来たけど話をしただけで、Aは帰った。その後のことは知らない。」と言えば、かなり怪しいけど決め手に欠ける、公判維持はとても無理.....のような感じかと思います。
怪しいというだけの根拠でイギリスでも欧米でも日本でも、食品衛生法を変えることは難しいと考えます。
この研究がもっと進めば、何か動きが出てくるかもしれませんが、腰の重い日本のお役所ですから期待はしていません。
じゃあ何もしないのかといえば、それも落ち着かないので、「なるべく合成着色料・食品添加物を摂取しない、子供に摂取させない」....
このぐらいしか思いつきませんです。
保存性を高めたり、結着性をよくする添加物はある程度仕方がないとして
合成着色料ってなくてもいいのでは?
梅干もたらこもハムも、使っているものとそうでないものを比較するから、見た目のいいものが売れるのだし、最初から「こんな色」って思っていれば問題ないような気もする....
でも業者さんの場合はそんなこと言ってられないでしょうね、売り上げに響くそうですから.....
> 怪しいというだけの根拠でイギリスでも欧米でも日本でも、食品衛生法を変えることは難しい
なるほど『疑わしきは罰せず』ですか。しかし、多動性障害との関係が明らかになったときには、大分被害か拡大していることも考えられますから、結局は自分で情報を収集して、自己防衛するしかないようですね(;^_^A
合成着色料などは、本来食品に不要です。時々生協で着色料を添加していない食品を買うのですが、かなりヒドイ色をしていますね。無添加がいいという意識を持っているから、そのような食品でも喜んで?食べますが、スーパーなどの店頭に並べられていたら、やはり色艶のいいものを選んでしまいますよね。( ̄ヘ ̄)ウーン、着色料を食品に添加する業者も問題だけど、我々の意識も低いと言えそうですね。
by kasama (2007-11-27 23:59)
おはようございます。^^
着色料、添加物の問題は根が深いですよね。^^
環境ホルモンの問題も含め、思春期前後までの年齢の子供への使用制限は煙草同様に注意喚起や、使用制限の条例化なども検討すべきだと思いますね。
因みに魚介類の加工品でも、FDA(米食品医薬品局)で輸入制限を受ける可能性のあるものが国内には普通に流通しているらしいとか。
お隣の国の事を笑ってもいられない現状ですね。 ^^;
by keykun (2007-11-28 08:32)
添加物が多動の原因の一つかもしれないのですか。
こういう実験結果が出ていたとは知りませんでした。
食品添加物のことも、国の規制を待っていたら手遅れになる問題でしょうね。
消費者が自分で考えないといけないですよね。
by pekopeko23 (2007-11-28 14:59)
光るトイレ楽しく見ましたので一言と思いましたら、今度は重要なメッセージがのっていて!!いま食品について沢山の問題が次々出てきてますね、難しい事は解りませんが、自分の子供の頃を考えるとある意味で消費者の要求、選択、にも
責任があるのではと、思いつつ、ニュースや新聞みています。
by 頑バーバ (2007-11-28 15:08)
>>kasamaさん
>『疑わしきは罰せず』ですか。しかし、多動性障害との関係が明らかになったときには、大分被害か拡大していることも考えられますから
そうですね、この分野はあくまで「科学的根拠」が大前提ですので、憶測・推測では物事が進みません。地球が丸いことがわかっていても、それを科学的に証明できなければ認めてもらえないのと似ています。
この食品添加物の研究の今後を期待したいですね。
個人的には添加物の少ない物を選んでいますが、そういうものは値段も高いし選択肢が少ないですね。もう少したくさんあってもいいのではと思います。
>>keykunさん
>思春期前後までの年齢の子供への使用制限は煙草同様に注意喚起や、使用制限の条例化など
まったく仰る通りだと思います。
議会が動いてくれなくて条例化が無理だとしても、関係機関はもっと情報をわかりやすく一般の人に伝えた方がいいのではと思います。
これからの将来を背負ってたつ子供達の大きな問題なのですから....
数年前、厚生労働省が妊婦に対してのメチル水銀を含む魚(金目鯛、めかじき,まぐろなど)の摂取を制限しましたが、はたしてどこまで国民に浸透しているのか疑問に思います。|∵|?
「もっと大きな声で言えばいいのに....」と思ってしまいます。
>>pekorinさん
この問題については30年以上前から議論されているそうです。
そして今ようやっと実りのありそうな結果が出たところです。
日本で仮に何らかの動きが出てくるとしても、数十年先のことではないかと考えています。今のところ悲しいかな自己防衛しかなさそうですね。(^ー^;
>>頑バーバ さん
>ある意味で消費者の要求、選択、にも責任があるのではと、思いつつ
そうですね、最近の食品関係のニュースでも、メーカーや小売店側だけの問題でもなさそうな気がしますね。
消費者がもっと多くの情報を得ることができれば、少し変わっていくのかもしれない....などと思いました。
by ふじくろ (2007-11-28 18:23)