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『乳がん体験記2009 (10) ホルモン療法と物忘れなど』 [乳がん体験記]

 

『乳がん体験記2009 (1) 入院準備』
『乳がん体験記2009 (2) 入院1日目』
『乳がん体験記2009 (3) 手術の日』
『乳がん体験記2009 (4) 手術翌日』
『乳がん体験記2009 (5) 退院』
『乳がん体験記2009 (6) 病理の結果と今後の治療』
『乳がん体験記2009 (7) 漿液腫と静脈炎とビリビリ』
『乳がん体験記2009 (8) リハビリ』
『乳がん体験記2009 (9) ホルモン療法とジェネリック』』 の続編です。



【注】--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
このページは普段のブログ記事とは分けて、「体験記」として過去の出来事を書きました。

これまでの経過;
2000年 1回目の手術(左乳房温存術+左腋窩リンパ節郭清)
        ⇒ 過去記事『『乳がん体験記(0) はじめに』』をご参照ください

2003年 2回目の手術(両側乳房切除術のみ)

2009年 右腋窩リンパ節郭清 ⇒ このblog記事です
      1月にCTで右腋窩リンパ節腫大がみつかりました
      納得できる治療を受けるためセカンドオピニオンに行きました
        ⇒ 過去記事『セカンドオピニオン 乳がん編1,2,3』をご参照ください
      4月に転院し右腋窩リンパ節郭清
      

これは一般個人の体験記です。同じ乳がんでも受ける治療は様々なことにご留意ください。
一部、癌に詳しい方向けになっている記述もあります。適当に読み流して下さい。
自分の体験談が、どこかの誰かの役に立つかも...という気持ちを込めて書きました。
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サブタイトル : The 2009 ASCO Annual Meetingの発表で思った事.....







2003年の乳がん手術後のホルモン治療の時のこと。
タモキシフェン(一般名)[商品名:ノルバデックス、タスオミンなど]を服用しました。

しばらくして....

「老化が異常に早く進行している。」と感じたんです。

具体的には、

物忘れが酷くなる。
集中できなくなる。
決断能力が低下する。




診察の時に主治医の先生に「物忘れが酷くなって、集中できなくなった。」と訴えました。

先生は首を傾げただけ。

それ以上の話の進展はありませんでした。


当時44才でまだ老化には少し早く、ホルモン治療開始後に急になったので、自分では「ほぼ間違いなくタモキシフェンかLHRHの副作用」だと思っていました。

その後、医療情報で「女性の認知機能にエストロゲンが関与」などの海外試験結果を知るにつれ、
「ほらねー、やっぱり、副作用なのよね〜。」とずっと思ってきました。






2009/06/01現在、米国臨床腫瘍学会(ASCO)が開催されています。
そこで「レトロゾールを投与した乳がん患者は、タモキシフェン治療を受けた患者に比べて、認知機能が維持されていた」という発表がありました。


本当はいけないけれど、一部抜粋-----------------------------------------------------------------------------
レトロゾールはタモキシフェンよりも認知機能を維持しやすい

 ホルモン療法によって認知機能が影響を受けるとする報告があるなかで、アロマターゼ阻害薬レトロゾール(商品名:フェマーラ)はタモキシフェンに比べ、乳がん患者の認知機能を維持していることが明らかになった。術後治療として、タモキシフェンとレトロゾールの効果を比較した大規模フェーズ3臨床試験「BIG1-98」を解析して明らかになった。5月29日から6月2日まで、オーランドで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、IBCSG と BIG1-98 Collaborative Groupを代表してKarin E. Ribi氏が発表した。

 BIG1-98試験では、タモキシフェン5年間投与群(A群)とレトロゾール5年間投与群(B群)、タモキシフェンを2年間投与後、レトロゾールを3年間投与する群(C群)、レトロゾールを2年間投与後、タモキシフェンを3年間投与する群(D群)の4群が比較された。

 今回の解析では、5年間の治療後の認知機能の程度を、精神運動機能の速度や視覚的注意、作業記憶(ワーキングメモリ)、言語性記憶や学習に関する7つのタスクを用いて評価し、各タスクにおけるZスコアを求めた。
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(認知機能に)「何らかの障害があると判断された患者が、タモキシフェン群では54.4%である」だそうです。

詳細は、がんナビサイトのニュース「レトロゾールはタモキシフェンよりも認知機能を維持しやすい」をご参照ください。

「精神運動機能の速度や視覚的注意、作業記憶(ワーキングメモリ)、言語性記憶や学習に関する7つのタスク」についての評価だそうです。


自分が今まで感じてきた副作用についての認識が、また一つ前進して確かなものになりました。





思えばあの頃....

物忘れが酷いのでメモに書いて冷蔵庫に貼ったり、カレンダーに書き込むなどしますが、
その「書いたこと」自体を忘れてしまうので、確認することなく忘れ去られていきました。

「どう判断していいのかわからない」事が急に増えて、「大事な決断は出来ないな....」と落ち込みました。

集中力が低下するので、今までなかったような思わぬ失敗ばかり繰り返すようになりました。

2009.06.07追加画像Fig3.jpg



乳がんサバイバーさんのブログなど拝見すると、同じような事を記述されている方が多い事がわかります。
でも(日本の)医療サイドからの情報では「ホルモン療法は副作用も殆どなく....」などと記述されている事も少なくありません。(ー_ー#)

実際には副作用が辛い事に加えて、その辛さを理解してもらえない事が大きな負担でした。
抗がん剤の脱毛や骨髄抑制(白血球減少)のように視覚化や定量化が出来ないので、わかりにくい事ではありますけど.....






タモキシフェン開始後3年7ヶ月で止めてからは、少しマシになりましたが、治療開始前の状態までは戻りませんでした。


それからタモキシフェンを止めて2年経ち「なんとか元に戻ってほしいなぁ....」の願いもむなしく、
今回5月からまたホルモン治療(タモキシフェンとLHRH)が始まってしまいました...(・_・;)


あぁー、もう治療なんて止めたい!!(正直な心の叫び)




現在ホルモン療法中の方へ(老婆心ながら) 注)
タモキシフェンを止めれば認知機能の障害が発生するリスクを減らす可能性があるかもしれませんが、(タモキシフェンを服用しなかった場合に比べて)乳がんを再発するリスクを高める可能性があります。
主治医の先生とよくご相談される事を強く推奨致します。
でも日常生活への影響が大きいので悩みますよね。
ふじくろも悩んでいます。(--;)





続く..... ⇒ 『乳がん体験記2009 (11) ホルモン療法と骨粗鬆症』



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