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『乳がん体験記2009 (12) ホルモン療法と”うつ”』 [乳がん体験記]

 

『乳がん体験記2009 (1) 入院準備』
『乳がん体験記2009 (2) 入院1日目』
『乳がん体験記2009 (3) 手術の日』
『乳がん体験記2009 (4) 手術翌日』
『乳がん体験記2009 (5) 退院』
『乳がん体験記2009 (6) 病理の結果と今後の治療』
『乳がん体験記2009 (7) 漿液腫と静脈炎とビリビリ』
『乳がん体験記2009 (8) リハビリ』
『乳がん体験記2009 (9) ホルモン療法とジェネリック』』
『乳がん体験記2009 (10) ホルモン療法と物忘れなど』』
『乳がん体験記2009 (11) ホルモン療法と骨粗鬆症』』 の続編です。



【注】--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
このページは普段のブログ記事とは分けて、「体験記」として過去の出来事を書きました。

これまでの経過;
2000年 1回目の手術(左乳房温存術+左腋窩リンパ節郭清)
        ⇒ 過去記事『『乳がん体験記(0) はじめに』』をご参照ください

2003年 2回目の手術(両側乳房切除術のみ)

2009年 右腋窩リンパ節郭清 ⇒ このblog記事です
      1月にCTで右腋窩リンパ節腫大がみつかりました
      納得できる治療を受けるためセカンドオピニオンに行きました
        ⇒ 過去記事『セカンドオピニオン 乳がん編1,2,3』をご参照ください
      4月に転院し右腋窩リンパ節郭清
      

これは一般個人の体験記です。同じ乳がんでも受ける治療は様々なことにご留意ください。
一部、癌に詳しい方向けになっている記述もあります。適当に読み流して下さい。
自分の体験談が、どこかの誰かの役に立つかも...という気持ちを込めて書きました。
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がんになると"うつ"になりやすいそうです。

↓こちらの研究では「"うつ"症状を訴えた人は、がん体験者では22%、家族では20%」とありました。
がんナビ:「がん体験者の家族における精神的な後遺症は重い



↓こちらの精神腫瘍科の先生は「2〜4割が、日常生活に影響するほど落ち込む」と仰ってます。
がんサポート情報センター:「精神的苦痛に苛まれる患者さんとご家族へーがんに伴う不安や落ち込みへの対処法」



↓こちらの大学ではこんな論文が発表されました。
『癌と"うつ"の生物学的関連性』 (ふじくろ訳)
Biological link established between tumors and depression
The University of Chicago(シカゴ大学)



それで困ったことに、乳がんの薬の副作用でも"うつ"になることがあるらしいです。

☆LH-RHの場合;
リュープリンの副作用で0.1%未満の発現率で"うつ"。
↓こちらに詳細があります。
がんサポート情報センター:「リュープリン(一般名 リュープロレリン) 偽ホルモンでエサを断ち前立腺がん、乳がんを抑える」


☆タモキシフェン(一般名)(商品名:ノルバデックス、タスオミンなど)の場合;
抑うつ症状(添付文書より抜粋)





ふじくろは、乳がんでLH-RH(商品名:リュープリン)とタモキシフェン(商品名:タスオミン)の治療を受けているので、"うつ"にも気をつけたいと思いました。



少し調べてみると、"うつ"って複雑な病気なんですねー。

乳がんみたいに、病理検査で「あなたは乳がんです。治療は○と○です。」というわけにはいかないみたいですね。

同じ人が違う病院で違う診断を受けたり....なんてよくあるらしいです。

今まで"うつ"って、落ち込んで「自分なんていなくてもいい」と思うのが特徴かと思ってました。

でも他にも、他者に攻撃的になったり、批判的になったり、ネガティブに物事をとらえたり....と、いろいろあるみたいです。



以前、ちょっと落ち込んだ時に読んで役に立った本があります。

そのときは、この本を読んで気分がすっきりしてモヤモヤが無くなりました。(^^)

下の1〜10の[認知の歪みの定義]のような考え方を、しないように気をつけることが大事なんだそうです。





『いやな気分よさようなら』

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法

  • 作者: デビッド・D.バーンズ
  • 出版社/メーカー: 星和書店
  • 発売日: 2004/04/27
  • メディア: 単行本



以下、本文から抜粋

[認知の歪みの定義]・・・・・「うつ病を引き起こす十種類の認知の歪み」(本文引用)だそうです

1. 全か無か思考
  物事を白か黒のどちらかで考える思考法。少しでもミスがあれば、完全な失敗と考えてしまう。

2. 一般化のしすぎ
  たった1つの良くない出来事があると、世の中全てこれだ、と考える。

3. 心のフィルター
  たった1つの良くないことにこだわって、そればかりくよくよ考え、現実を見る目が暗くなってしまう。ちょうどたった1滴のインクがコップ全体の水を黒くしてしまうように。

4. マイナス化思考
  なぜか良い出来事を無視してしまうので、日々の生活が全てマイナスのものになってしまう。

5. 結論の飛躍
  根拠もないのに悲観的な結論を出してしまう
  a. 心の読みすぎ:ある人があなたに悪く反応したと早合点してしまう
  b. 先読みの誤り:事態は確実に悪くなると決めつける

6. 拡大解釈と過小評価
  自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。逆に他人の成功を過大に評価し、他人の欠点を見逃す。双眼鏡のトリックともいう。

7. 感情的決めつけ
  自分の憂鬱な感情は現実をリアルに反映している、と考える。
  「こう感じるんだから、それは本当のことだ」

8. すべき思考
  何かやろうとする時に「〜すべき」「〜すべきでない」と考える。
  あたかもそうしないと罰でもうけるかのように感じ、罪の意識を持ちやすい。他人にこれを向けると、怒りや葛藤を感じる。

9. レッテル貼り
  極端な形の「一般かのし過ぎ」である。
  ミスを犯した時に、どうミスを犯したかを考える代わりに自分にレッテルを貼ってしまう。「自分は落伍者だ」他人が自分の神経を逆撫でした時には「あのろくでなし!」というふうに相手にレッテルを貼ってしまう。そのレッテルは感情的で偏見に満ちている。

10. 個人化
  何か良くないことが起こった時、自分に責任がないような場合も自分のせいにしてしまう。




続く.....


【関連記事】
「乳がんと抗うつ薬と妊娠..タモキシフェンとパキシルは併用しないほうがいいのか?」2010-07-27






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コメント 8

keykun

こんばんは。^^
うつ~の治療では苦慮しています。^^;
入院中の母にもうつ症状があり、
投薬で改善されるのですが
今度は、認知症の症状が出始める。いたちごっこです。^^;
本人も認識しているのですが、うつ症状では食欲不振が激しい。^^;
抗がん剤の投薬終了後からのゆるい症状だったのが・・・。^^
主治医が絶妙のさじ加減で調整しているようです。

by keykun (2009-07-14 00:05) 

ぽんこ

うつの症状っていろいろあるんですね。
他者に攻撃的になったりするのも…なんですね。
人間って複雑です。
by ぽんこ (2009-07-14 07:18) 

★とろ

ほんとにうつの症状ってこんなに・・びっくりです
こうやってみると誰にでもありうることなのですね。
by ★とろ (2009-07-14 07:46) 

toto

うちの会社は密かに大勢のウツがいます
コンサル業には比較的多いようです
歪みの定義 残念ながら僕は9割以上が該当してました
気を付けねばと思います
by toto (2009-07-14 13:43) 

ふじくろ

>>keykunさん
抗がん剤を重ねるに連れて、うつが強くなってしまったのでしょうか....
食欲不振も程度が激しければ、衰弱してしまいますしね....
ご本人が苦しいのはもちろん、ご家族の方達もどれだけご心労のことかと存じます。
辛い症状が少しでも軽減されますように.....


>>ぽんこさん
『いやな気分よ、さようなら』には、電話で精神科医に怒鳴る患者さんの例が載ってました。
本当に複雑ですね。


>>★とろさん
あ、すいません。
えーと、[認知の歪みの定義]はうつ病の症状ではなくって、「こういう風に考えないほうが良いよ〜」みたいなものでした。
わかりにくいので記事に加筆しておきますね。(^^)


>>totoさん
え、大勢いらっしゃるのですか!?
コンサル業というのは、それだけストレスの溜まりやすい業種なんでしょうか....
ふじくろもネガティブな思考になるときがありますよ〜。
人間ですものね.....ありますよね、そういうときが..... (^^)

by ふじくろ (2009-07-14 19:57) 

minaka.707

鬱ってどこからが鬱の症状なのか見極めがつかないですよね。。(・ε・`*) ...
友達もストレスから鬱になりましたが、今は大丈夫みたいです(~_~)
お薬の副作用でもなってしまうのは恐いですね。。(; ̄Д ̄)
by minaka.707 (2009-07-15 04:08) 

manny

目に見えない心の病気を治すことは、がんとはまた違った大変さがあるのですね。

それにしても、薬のせいでうつになるなんて。。
ホルモンのバランスが大切ということなのでしょうか(+_+)
私もまだまだ薬を飲み続けるので、そうならないようにいきたいです。

by manny (2009-07-15 21:17) 

ふじくろ

>>miopapaさん
>>向日葵さん
niceありがとうございました。



>>minaka.707さん
少し前に精神病を装った事件がありましたね。
専門医でも簡単にだまされちゃうこともあるみたいです。

お友達、大変でしたね。
あ、薬の副作用でうつになる確率はとても低いそうですよ。(^^)



>>mannyさん
>がんとはまた違った大変さ
そうなんですよね〜、うつ患者さんのブログをちょっと拝見しただけで、
「すごく大変そう」という感想を持ちました。

乳がんは薬でホルモンのバランスを一気に変えてしまうので、大変ですよね。

by ふじくろ (2009-07-15 23:38) 

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