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私が医療不信から自然志向になったわけ [癌以外の医療情報]


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ホメオパシーという擬似医療で死者が出たことがきっかけとなり、
マスコミやネット上で話題になっています。

[以下のリンク先は朝日新聞の医療サイト「アピタル」]
ホメオパシーを巡る問題(その1) 「ホメオパシー療法、信じる前に疑いを」
ホメオパシーを巡る問題(その2) 続「ホメオパシー療法、信じる前に疑いを」
ホメオパシーを巡る問題(その3) 続々「ホメオパシー療法、信じる前に疑いを」
ホメオパシーを巡る問題(その4) 赤ちゃんは治療法を選べない
ホメオパシーを巡る問題(その5) 普及団体に最低限の社会責任を

その流れで、自然志向への批判的な意見もネットでたくさんみました。

確かに「なるべく自然に」というのは大事だと思いますけど、
行き過ぎた自然志向は問題かもしれませんね。

現在はEBM(Evidence-based medicine)*重視派(笑)ですが、昔は医療不信に満ちていました。
*治療効果・副作用・予後の臨床結果に基づき医療を行う(Wikipediaより)


なぜかというと…
 

23年前に娘を出産しました。
軟産道強靭(なんさんどうきょうじん;出口が固くてなかなかでない)のうえに陣痛促進剤で子宮を無理に動かして、地獄の苦しみでした。
この世の物とは思えないひどい痛みで、それは言葉でも文章でも表現できません。
強いていえば…そう…数m上空からボーリングの球をお腹の上に落としたような…
どすんどすんと…数十秒〜数分(?)の陣痛の度に...

苦しんだあげくの果てに帝王切開にてようやく娘は誕生しました。

でも、
・「陣痛を強くするお薬」という簡単すぎる説明
・薬の名前も分からない
・薬でどんなことが起こるのかも説明されなかった
・分娩室では若い看護師2人と自分の3人だけ
・看護師は無言で器具を使って赤ちゃんを引っ張り、それは陣痛のタイミングと全く合わず痛さが倍増する
・このままでは無理と分かって看護師が電話し、分娩室に現れた医師
などなど、すべてが納得できないままに出産が終わりました。
医師、看護師を恨み、医療不信になりました。


その経験から「出口も開かないのに陣痛促進剤を使った不自然な陣痛が、ひどい痛みの原因だった。やはり自然が大事なのだ。」と思うようになりました。

それで「紙おむつよりも布おむつが自然で良い」と思い、布おむつで育児を始めたのでした。

今ではそのことを後悔しています。
こだわりすぎたために「傷口に塩を塗る」ような結果になってしまったからです。



以下は、23年前のことを思い出しての自戒を込めた書きなぐりです。



布おむつは消毒・洗濯が大変だった。
汚れをトイレで洗い流し、消毒液の入ったバケツにつける。
まとめて洗濯機で洗う。

何回かに1回は漏れて周囲まで汚れる。
おむつ、おむつカバー、シーツ、布団など、洗濯する量はものすごく多かった。

育児の協力者もいない状況で1人でがんばって布おむつにこだわり続けた。

そして、「これ以上はがんばれない。」というところまで、自分で自分を追いつめていった。
「全ては赤ちゃんのため」という思い込みを抱いたまま、日々疲弊していった。

育児のストレスは大きく、帝王切開手術で低下していた体力も限界で、帯状疱疹になってしまった。
ものすごく辛い毎日だった。
「ミルクをあまり飲まない」「夜泣きがひどい」その他家庭内のもめ事などもあり、
子どもを殺して自分も死のうと何回も思った。

赤ちゃんのためには布おむつがいいのだと思い込んでいた。

「紙おむつではかぶれやすい。」「おしっこやうんちをした感覚が伝わりにくく、赤ちゃんの自然な成長を妨げる。」「快・不快の感覚が赤ちゃんにとって大事。」などの”布おむつ業者”の言説を鵜呑みにしていた。
よく考えれば業者のセールストークだとわかるのに…

「人工物より自然な物が良い。」という漠然とした思いがベースにあった。

インターネットも無く情報はごく限られていた。

自分の考えを改めてみる機会に乏しかった。

自分が疲弊することで、子どもにも迷惑をかけた。
イライラして激しく怒ったり…
なんて愚かだったんだろう?

インターネットはなくても、がんばって情報を集めれば良かった。
いろいろな意見を聞いて、比較してみれば良かった。
誰か相談できる人を探せば良かった。
1人で抱え込まずに...
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うつマモル

今日は。あれれ!一番乗りですか。役不足ですが宜しくお願い致します。
by うつマモル (2010-08-28 13:30) 

ぽんこ

その苦しみを想像すると…つらいです。
想像だけですみませんが…。
by ぽんこ (2010-08-28 15:41) 

ふじくろ

>>うつマモルさん
早速のご訪問ありがとうございます。(^^)
こちらこそ、よろしくお願いします!


>>ぽんこさん
こんな不快な修羅場のことなのに、想像していただいただけで嬉しいです。(^^)

by ふじくろ (2010-08-29 09:58) 

takumi

すぐにコメできず。言葉足りない私なので、今日まで考えちゃいました。
それでも上手なコメが浮かばなくてすみません(T▽T;)

以前は「お医者さんは絶対」だったし、情報収集もかなり難しかった時代です。
布おむつが良いって言われてたの覚えてるし!
今でこそ、色んな情報が開示されたり、書籍が出たり、情報過多なネットもね。
だから、その時の自分を責めないで下さいね!そんな体験があっての、今の
ふじくろさんが居るわけで。んで、ふじくろさんのBlog読んで、同じ思いが
あると、自分だけじゃ無いんだっ!て思う人も居るわけで・・

って、やっぱり文章力の無い おバカですみません〜(^^;)
by takumi (2010-08-30 01:46) 

manny

考えがうまく言葉にできませんが、
ふじくろさんの話を読ませていただいて、しばらく色々と考えてしまいました。
by manny (2010-08-30 19:17) 

ふじくろ

>>takumiさん
なにかコメントでお気遣いいただいたようで、すみません。

>その時の自分を責めないで下さいね!そんな体験があっての、今のふじくろさんが居るわけで
はい、ありがとうございます!
そうですよね、もう23年も前のことなので普段は意識に上らないのですが、最近「医療不信」の経験から「代替医療」、「自然派」に傾倒することが新聞などで話題になったので、つい考えてしまいました。
それで、過去の自分はなぜそうなってしまったのかな?と、思い出して整理してみました。

でもそんなことはともかく、takumiさんの暖かいお言葉がとても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。(^^)


>>mannyさん
そうですよね、考えをうまく言葉にするって難しいですよね。
ふじくろも記事を書きながらそう思いました。
「これで伝わるのかしら?」と思ったり…
コメントしづらい内容なのに、書き込みありがとうございました。(^^)

by ふじくろ (2010-08-31 11:43) 

keykun

こんにちは。^^
ご無沙汰です・・。^^;
我が家は年子で布オムツ使用でした。
夜だけは紙おむつを使ったようです。^^;
と言っても、二人目と三人目での事なので
その間に親として少しは成長したようです。
育児にベストは無いように思います。長女は母乳志向で離乳も早かったのですが好き嫌いや薄味好みの偏食が出ましたね。^^;;
で!私は~出来の悪い父親で連日の残業や休日出勤で育児に不参加。
今では後悔しています。^^;



by keykun (2010-09-04 13:40) 

minaka.707

お久しぶりです(^^)
時代もあったのかもしれませんが、医療不信、もしかしたら人間不信にもなっていてもおかしくない状況だったのですね。

深くふじくろさんの思いを分かりたいのですが、未体験なので自分なりに感じることしかできなくてすみません。。

by minaka.707 (2010-09-05 13:12) 

ふじくろ

>>keykunさん
お久しぶりです。
ご尊父様のご逝去、謹んでお悔み申し上げます。
もう一段落されましたでしょうか。

keykun家は布派でしたか。
あ、ご承知だと思いますが、この記事は決して布おむつ否定ではないですよ。
ただ自分の場合はこだわりすぎてしまった…という反省です。(^^)


>>minaka.707さん
そうですね、もうふた昔も前の話ですから、現在の状況とは全然違うでしょうね。
記事を読んでいただけだけでも嬉しいですが、minakaさんが何かを感じてくれたことがもっと嬉しいです。
ありがとうございました。(^^)
by ふじくろ (2010-09-05 22:12) 

クローヴ

大変だったのですね!
あまり良くない産科だったという…運が悪かったこともありますよね。
それと、何よりも子を思う真面目さゆえです。
大変参考になります。
by クローヴ (2010-09-07 23:50) 

ふじくろ

>>クローヴさん
そうですね、良くない産科だったのかもしれません。
TVで時折見かける出産風景と自分の体験ではものすごく開きがありますし…
運が悪すぎです。(´▽`)
by ふじくろ (2010-09-08 11:43) 

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