がんの治療でボケる? えぇ、そうなんですよ。 [乳がん体験記]
化学療法で認知症状を生じるというエビデンスが出ました。
エビデンスが出て良かった。(^^)
化学療法は乳癌患者の脳の構造に影響する 化学療法は脳領域において物理的影響を及ぼし、そこで変化が起きた場合はしばしば「ケモブレイン」と呼ばれる一連の認知症状を生じ得ると、現在までで最も強力な直接的エビデンスが新たな研究により提供された。この研究は8月6日付電子版Breast Cancer Research and Treatment誌で発表された。 |
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[出典] 2010/09/07号◆癌研究ハイライト NCI(米国国立癌研究所)キャンサー・ブレティン
1年以上前のニュースだけど、こんなのもあります。↓
こちらはホルモン療法で認知に悪影響かもしれないというエビデンス。
脆弱性が増す 例えば、動物実験や画像研究のエビデンスによると、ホルモン受容体陽性の乳癌治療に広く用いられているタモキシフェン*は認知機能や脳の他の機能に障害を与えるかもしれないことを示している。さらに、いくつかの研究は、ゴセレリンやリュープロリド*といったホルモン剤は前立腺患者の認知に悪影響を与えるかもしれないことを明らかにした。 |
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[出典] 2009/3/24号◆クローズアップ「ケモブレインのメカニズムについて考察する」 NCI(米国国立癌研究所)キャンサー・ブレティン
*”タモキシフェン”は日本でいうところのノルバデックスやタスオミンなど。
*”ゴセレリンやリュープロリド”は日本でいうところのゾラデックスやリュープリン。前立腺がんや乳がんで使われる薬。
[ノルバデックス(左) と タスオミン]
[リュープリン]
でしょ、でしょ?
ホルモン療法や化学療法すると認知機能が下がるのよ、と断言してみる。
(個人差あり)
もうずっと前から診察の時に訴えているのに、いつも「聞いたこと無い」などと言われて、誰も信じてくれなかったけど、やっぱりあるでしょ。
ちなみに化学療法はUFTとCEF1クールで2回、ホルモン療法は3回しました。(3回目が現在継続中)
エビデンスを発表してくれた科学者を抱きしめたいぐらい。
病院・クリニックでは、分かってくれる人が少ないんですもの。(;_;)
乳がん患者さんのブログなどを見ても、結構同じことをおっしゃる方は少なくないです。
「忘れっぽくなった」とか「老化が進んだ」とか。
医者が知らないだけです。
なのに不定愁訴*のように思われちゃうから、納得できないのです。
ヾ( ̄o ̄;)チガウヨ 気のせいなんかじゃないよ。
*不定愁訴(ふていしゅうそ)とは、「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、何となく体調が悪いという自覚症状を訴えるが、検査をしても原因となる病気が見つからない状態を指す。 患者からの訴え(主訴)は強いが主観的で多岐にわたり、客観的所見に乏しいのが特徴。〜Wikipediaより
もっと大げさにアピールしようかな。
診察で名前を聞かれた時に「えーと…σ(・_・)」って言ってみるとか。
ウソです。
現状では対応策がなくても「そういうこともあるらしいね」ぐらいは理解・興味を示してほしい。>乳腺外科医・腫瘍内科医の皆様
忘れっぽいとか、判断力、集中力が鈍るとか、結構困った副作用です。
帽子やハンカチをいくつ外出先で忘れてきたことか。
言葉が出てこないで数秒沈黙してしまったりとか。
TVのついてる部屋では、音に集中を妨げられてPCや読書ができません。(治療以前はこんなこと無かった)
メモを作ってもその在処を忘れてしまうので、どうしようもない状態。
ゴミ出し、外出予定、薬の時間などなど、携帯のアラーム機能をフルに使って物忘れを防ぐ毎日です。(>_<)
最後に。
こういうことを書いたからといって、決して医療不信に陥ってるわけではないですよ。
先生は、がんとの闘いの援護射撃をしてくれる強い味方だと思っていますから。
誤解されませんよう念のために申し添えておきます。
もっと研究が進んで、副作用が出にくい薬や軽減するような対策がでるといいな。
科学者の皆様、がんばってください!
大事なことを書き忘れましたので追記します。2010.09.21
●治療中の方へ;
もし薬を止めたいと思われた時は、主治医にご相談することを強くお勧めいたします。
●治療予定のかたへ;
治療に不安がある場合は、主治医にご相談することを強くお勧めいたします。副作用は個人差があります。どの人にどの程度の副作用の症状が出るのかは「やってみなければ」わかりません。
●全ての方へ;
ここには一部しか転載していません。気になる方は記事中のリンクを辿って必ず原典(オリジナルまたは日本語訳)にあたってくださいね!。
【関連記事】
「乳がん体験記2009 (10) ホルモン療法と物忘れなど」2009-06-01
そんなに影響が出るものなんですか。
携帯のアラームは便利ですよね。
by ぽんこ (2010-09-17 14:11)
>>ぽんこさん
個人差が大きいと思うんですけど、ふじくろの場合は記事の通りです。
携帯のアラームが鳴って薬を飲むも、数日間1種類だけ飲み忘れていた今日この頃。(;_;)
>>keykunさん
>>JOHNさん
>>pekorin23さん
>>miopapaさん
niceありがとうございました。
by ふじくろ (2010-09-18 14:58)
うんうん!
たぶん、私の主治医に言っても「ネットで流れてるだけでしょ〜」って
相手にしてくれないだろう話だな。エビデンスって、いつ普通の病院医師が
知るんだろうか。特に専門医じゃ無い医師は・・・(苦笑)
by takumi (2010-09-18 23:16)
>>takumiさん
こういう副作用に関するエビデンスがもっとたくさん出てくると良いですよね。
(対応策はとりあえず無くても良いので、認識だけでも。)
そして当然のこととして、みんなで共有できる日を待ち望んでいます。(^^)
by ふじくろ (2010-09-19 17:06)
数々の物忘れ、注意力散漫なところ。。
ケモブレイン・・・なってそうです(^^ゞ
by manny (2010-09-20 22:11)
ふじくろさん、はじめまして。
化学療法の副作用が酷すぎて、ついそちらに気を取られていましたが、
思い返してみるとド忘れが頻発していました。
若干マシになってきたような気がしますが、ノルバデックス服用中。
貴重な情報をありがとうございます。
by FB☆AYA (2010-09-21 08:18)
>>mannyさん
そうなんですか、mannyさんもでしたか。
ふじくろの場合は、ほぼ完全に「なってる」と言えそうです。(;_;)
>>FB☆AYAさん
初めまして、今日は。
気を取られるほどの強い副作用ということは、骨髄抑制、脱毛や嘔吐でした?
あれはあれで辛いものがありますよね。
以前経験したので、お気持ちわかります。
副作用に悩まされることの無い、穏やかな治療生活を送りたいものですね。(^^)
by ふじくろ (2010-09-21 18:35)