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マンモグラフィ検査で要精密検査になってしまったら [がん関連]


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NHKの番組で、マンモグラフィ検査で要精密検査になって、とても不安になった場合を例に挙げて、数字のトリックによる勘違いを説明していました。

とても面白い番組でした。
 

(注)以下の内容は、健康な人がマンモグラフィ検査をした場合についての記述です。 乳がん患者さんが同検査をした時とは異なりますのでご注意ください。


[マンモグラフィと画像]
digital-mammography.jpg  digitalr04nv14g03b.jpeg




[番組内容]
2011/07/06放映 NHK 「ためしてガッテン」
「がん検診に潜むワナ」
自治体のがん検診で乳がんのマンモグラフィー検査を受けたところ「がんの疑い」と判定され、精密検査を受けることになったAさん。不安で家事も手に着かない状態になりました。では、Aさんが「乳がんである可能性」はどのくらいでしょうか?
データによれば、乳がんではない女性が、間違って「がんの疑い」と判定されてしまう確率はおよそ9%です。
これを聞くと、「Aさんは91%の確率でがん」と考えがちですが、実はそうではありません。Aさんが乳がんである確率は、およそ3%しかないのです!
実際、Aさんはその後の精密検査で、がんではないことが分かりました。「およそ3%という数字を知っていれば、あんなに心配しなかったのに・・・」Aさんの実感です。
でも、これからマンモグラフィー検査を受けようとしている人がこの数字を聞くと、「そんないい加減な検査なら受けたくない」と思うかもしれません。ところが、それは大間違い。検査自体の精度は悪くないのです。
「精度が良い検査」なのに「心配しすぎなくて良い」理由は、まさに数字トリック。番組では模型を使って分かりやすく紹介しました。(番組HPより抜粋)
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110706.html



まとめると、
40代のAさんがマンモグラフィ検査を受けたところ、「要精密検査」の通知がきた。
     ↓
精密検査はすぐには受けられず、心配で家事が手につかない。幼稚園児の子どものことを思うと不安でいっぱい。
     ↓
『乳がんではない女性が、間違って「がんの疑い」と判定されてしまう確率はおよそ9%』ならば91%の確率でがんではないのか?
     ↓
マンモグラフィから3ヶ月後に精密検査の結果が出た。結果は「がんではない」と知り、ようやく安心できた。


ここで問題。
【『乳がんではない女性が、間違って「がんの疑い」と判定されてしまう確率はおよそ9%』ならばAさんは91%の確率でがんである】 は、本当に正しいのか?

じつは、『マンモグラフィで「がんの疑い」と判定された人が本当に乳がんだった確率は3%』(40代女性 日本乳がん検診学会 2010)なのだそうです。

「えー?さっきの話と違うじゃん!」と思いませんか?

番組ではこのからくりを丁寧に解説していました。





[番組内でのからくり種明かし]
「乳がん検診にまつわる数字トリック」
 1000人の女性がマンモグラフィー検査を受けたとします。この中に乳がんの人は、およそ3人います。
残りの997人は健康ですが、そのうち9%が間違って「がんの疑い」と判定されます。997人の9%は、およそ90人です。

つまり、1000人の女性がマンモグラフィー検査を受けると、本当に乳がんの3人の他に、健康な90人の女性にも「要精密検査」の知らせが行くのです。
知らせを受けた93人のうち、本当に乳がんの人は3人だけ。マンモグラフィーで陽性でも、乳がんである確率は、たった3%ほどなのです!集団検診では、健康な人がほとんどのため、検査の精度は高くても、間違われる人がたくさんでてきます。もしあなたが要精密検査になっても、次の検査で本当に乳がんが見つかる確率は3%。心配しすぎなくて良いのです。

でも、「それなら検査を受けなくて良い」と考えるのは間違いです。検査を受けなければ乳がんを発見することができません。マンモグラフィー検査は、乳がんの死亡率を下げる明確なデータがあり、40才以上の女性には2年に1回の検査が勧められています。(番組HPより抜粋)
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110706/P20110706_popup02.html




つまり…

1000人の40代女性がいます。
     ↓
このうち3人は乳がんです。(あくまで確率の問題です)
     ↓
この1000人がマンモグラフィを受けたとします。
     ↓
本物乳がんの3人は「要精密検査」になります。
     ↓
『乳がんではない女性が、間違って「がんの疑い」と判定されてしまう確率はおよそ9%』なので、残り997人のうちの9%の90人も、本当はがんではないのに「要精密検査」になってしまいます。
     ↓
合計93人に「要精密検査」のはがきが行きます。
     ↓
結果的に3人(本物のがんの人)÷93人(がんではないのにがんを疑われた人)×100=3%だけが本当のがんの人ということになります。
     ↓
つまり、マンモグラフィで「要精密検査」になった人の97%は、実際は乳がんではないということになります。



番組では「要精密検査になってもそのうちの97%は乳がんではないので、そんなに心配しなくていいですよ。でもだからといって検査をしなければ3%の本物の乳がんの人も見つからないので、検診は受けましょうね。」とまとめられていました。



マンモグラフィを受けて要精密検査になったとき、ネットなどで調べて『乳がんではない女性が、間違って「がんの疑い」と判定されてしまう確率はおよそ9%』という情報だけを見つけて、よくその意味を理解しないと「ならば91%の確率でがんなのだから、きっと私は乳がんに違いない」などと思ってしまう勘違いは起こりやすいですよね。


この番組を見て「なるほど、表面だけの情報でなく、その数値の意味を良く考えないといけないな。」と反省しました。








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コメント 11

ぽんこ

こんにちは(^_^)
ぽんこもこれ見てました。
数字は苦手ですが興味深く見てました。
途中で頭がねじれてしまいましたけどね…(^_^;)
by ぽんこ (2011-07-08 11:34) 

ふじくろ

>>ぽんこさん
そうだったのですか!
他にも面白い話題がたくさん出てましたね。
米国のクイズ番組(?)の「途中で答えを変えたほうが正解の確率は高い」というのがびっくりでした。(^^)


>>うつマモルさん
>>mannyさん
niceありがとうございました。
by ふじくろ (2011-07-10 22:35) 

kumanwkoo

同様の話は、要再検査の封書が届き、改めて、
最初に窓口になった、触診をした医院の先生から聞きました。
石灰化された部分が精度よく撮影されているから
とりあえず詳しく調べましょうって言われました。

直後、ウェブの画像診断の所見や「乳がん患者ケアガイド(Gakken)」の
マンモグラフィの所見評価を参考にし、ほぼガンであることを確信して、
再検査に望みました。
結論からするとアタリだったんですけど。

その後も5年生存率何パーセントとか、局所再発が何パーセントとか、
確率の話がたびたび出てきました。
しかし、ガンと診断されてからは、これらの確率の悪い方になる確率までは、
分からないので、そうなったら対応するということしかできないと思いました。
すこしでも良い方向に向くように様々な書籍を読んで、暮らしぶりを変えたり
していますが、先のことは分からないものです。
健康なときは、気がつきませんでした。

私は、市の検診をきちんと受けていて分かった口なので、
どんな結果になろうとも検査(要再検査)は命をつなぐものだと思います。
by kumanwkoo (2011-07-16 07:43) 

クローヴ

確率…という言葉に騙されちゃいました(^^;
まずは定期的に検査を受けることが大事ですね。
何はともあれ、早期発見と思っています。
by クローヴ (2011-07-18 11:56) 

ふじくろ

>>kumanwkooさん
そうでしたか、検診で発見できてよかったですね。
おっしゃる通り、検査でどんな結果が出ても、
考えられる限りベストの対応をするしかないですよね。

>>クローヴさん
早期発見、大事ですね。
乳がんの検診については、現在いろいろと議論されています。
40歳未満の場合の(健康な人の)マンモグラフィ検査は推奨されてないようですよ。
by ふじくろ (2011-07-22 22:24) 

マロニエ

このサイトを見て、少しだけ元気を取り戻しました。ありがとうございます。
by マロニエ (2012-09-24 18:43) 

ふじくろ

>>マロニエさん
こちらこそご訪問ありがとうございました。
少しでもお役に立てればうれしいです。
by ふじくろ (2012-09-28 00:30) 

クローバー

本当・・・・にありがとうございました。
実は今日、要検査の結果を見て、落ち込んでいました。
もちろん不安はありますが、少しだけ前向きに考えられそうです。
by クローバー (2015-02-26 15:49) 

ふじくろ

>クローバーさん

この記事が少しでもお役に立ててよかったです。
あまり心配しすぎて体調を崩してしまってはいけませんしね。
次の検査で良い結果が出ますように。
by ふじくろ (2015-02-26 23:06) 

うちゃぎ

始めまして^^

昨日のマンモで「画像に白い影がある」(私も見ました)とのことで
エコー検査を勧められました…

その病院では●視触診→マンモ→診察質で結果発表
という流れなのですが、乳腺専門医でもある院長先生が
とても丁寧な視触診をしたくださった最中に、
「しこり、なんにもないね!脇下のリンパの腫れもなし。異常なし!」
と断言してくださったので、そのあと行ったマンモについては
まったく心配していなかったのですが…

診察室で画像を見た先生が「うーん?」と考え込んだ表情なので
「え?何かあるのですか?」と聞いたら 「前の加増も併せてみてみよう」と、6年前と4年前の画像と昨日の画像を並べ比較しました。

すると、今回映っていた「白い影」(私にはダイヤ型というか、
丸ではなく四角っぽくみえました)が 6年前からあったことが
分かりました。

先生も「ああ、これは前からあるのか」と独り言を言われていました。
ではなぜ、以前はエコーと言われなかったのに今回は言われるの??
と頭が真っ白になって呆然としていたら、先生が、
「今回、ちょっと目立った感じに見えるんだよね~、念のためエコー
しときましょうよ」と言われました。

まだ呆然としていると、「検診でね、乳がんが見つかる確率は0.3%
と言われてるの。でね、今回の貴女ががんと診断される確率は8%以下なの。可能性としては低いです。それにね、貴女にはしこりがなかったでしょ? それってどういうことかわかるよね? いたずらに不安がらなくていいってことですよ」と言われはしたものの、
その数字の意味合いもよく理解できず、悶々としています。

●それだけ可能性が低いといいながら、なぜエコーを指示するのか?
●視触診で「しこりなし」の結果だったが、「しこりのないがん」もある
 のに、なぜ「しこりがなかったから不安がるな」と言ってくれたのか?


現在46歳ですが、40歳から2年ごとに検診を受けてきて
今回初めて「要再検査」となり、本当に不安でたまりません。

今回、記事を見させて頂き、確率のマジックといいますか、
「実際にがんと診断される確率は、実は多くはない」と知り
自分を必死に落ち着かせようと頑張っています・・・

でも…
マンモにうつった「白い影」は、がんでなければ何なのだろう?と
いう疑問が頭から離れなくて…

最後に診察室を出るときに先生が「私の言ってる意味、分かるよね?
分かってくれなきゃ困るよ(優しく)と言い、あまり心配しないで」と
肩をポンポンと叩いてくれました。

先生は、「内心はがんの可能性は低い」と思っているのか?
いや、でも、エコーを勧めるということは「がんっぽい」と感じたからなのか?先生は「可能性は低い」と答えてくれたけど、とても優しい人柄の先生なので、「可能性が高い」といったら怖がらせると思い、
「低い」と言ってくれてのではないか?とか、頭の中がぐちゃぐちゃで
辛いです。

長々、申し訳ありません。
ありがとうございました。
by うちゃぎ (2016-04-10 13:38) 

ふじくろ

>>うちゃぎ さん

>●それだけ可能性が低いといいながら、なぜエコーを指示するのか?
>●視触診で「しこりなし」の結果だったが、「しこりのないがん」もある
 のに、なぜ「しこりがなかったから不安がるな」と言ってくれたのか?

そうですよね、普通に考えると疑問ですよね。
でもしこりのない乳がんの割合は少なく、しこりのあるタイプよりもよい・かなりマシな乳がんなのでそうおっしゃったのかもしれませんね。
先生たちは患者が具体的にどんなことを心配しているのかなかなかわからないので、上記の疑問を紙に書いて先生に見せるとよいのではないかと思います。

by ふじくろ (2016-04-10 15:54) 

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