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尿膜管の腫瘤 5「嚢胞(のうほう)の手術」 [がん関連]

 

これは
『尿膜管の腫瘤 1「なぜ言ってくれなかったの?」』
『尿膜管の腫瘤 2「それで、この腫瘤の正体は何?」』
『尿膜管の腫瘤 3「手術するのがいいのか?しないほうがいいのか?」』
『尿膜管の腫瘤 4「退院しました」』
の続きです。


これまでのいきさつ;
尿膜管遺残(にょうまくかんいざん)の嚢胞(のうほう)が見つかり、
セカンドオピニオンなどの紆余曲折を経て、
都内のT医大泌尿器科で摘出手術を受けることになりました。
 

一部の記述は乳がんに詳しい方でないと分かりづらいかもしれません。
適当に読み飛ばしてください。



[CTに写った嚢胞(赤丸でかこったもの)]
CT.jpg





9月 8日 【入院初日】
T医大に入院
[病室の窓から飽きるほど眺めたビル群...もう2度と見たくない景色...]
pic15.jpg   pic14.jpg

両側乳がんなので腕で血圧を測ることが出来ないため、足で計測。
[血圧計]
pic13.jpg

   
泌尿器O先生から手術の説明と同意書のサイン。




9日 【CVカテーテルなんてするはめに...】
CVカテーテル(中心静脈カテーテル)を首に留置。
(両側乳がんで腕に点滴ラインを確保することが出来ないため、鎖骨下静脈か内頚静脈ですが、合併症を考えて首からとなりました)
ちゃんと留置できたかどうかを、X線で2回確認。
pic12.jpg


【卵巣を取るのか取らないのか?】
泌尿器S先生から唐突に「ついでに卵巣も取る?」の提案あり。
(乳がんの治療として薬(リュープリン)で卵巣機能を抑制していたため、卵巣そのものを取ってしまえば薬が必要なくなるという理由から)

築地のS.L.病院・乳腺外科のE先生に電話で相談→「うん、取ったほうが良いんじゃない」

T医大・産婦人科のT先生のコンサルト
婦人科外来のエコーで嚢胞を確認。
先生「右?」
ふじくろ「....」(右ってどういう意味? 尿膜管に右も左もないのだけれど...)
先生「右の尿管(にょうかん)?」
ふ「尿膜管です」
先生「え? (カルテを見直して)あ、失礼しました....」
[↓尿管] *ちなみに尿膜管はお臍から膀胱につながっている管
nyoukan.jpg


先生のご意見;「取ることを勧めます」

取るべきかどうかさんざん悩んだあげく、取らないことに決定。

      理由:ひどい副作用が出た場合、薬なら中止して卵巣機能を復活させることができるけど、
      取ってしまった卵巣はどうしようも出来ないから。
      心の叫び:「みんな他人ごとだと思って簡単に”取る”って言うけど、
      副作用に悩まされてきたふじくろにとっては、そんな簡単なことではないよ。」
      結論:嚢胞(のうほう)が卵巣由来のものであったり、
      癒着している場合は卵巣切除。そうでなければ嚢胞のみ切除。

婦人科T先生はかなり不服そう。
「(リュープリンを)止めたりできるんですか?」と突っ込まれる。
「(リュープリンは)標準治療です。」と答える。
T先生は、提案した通りの結果にならなかったことに納得できない様子で憮然としている。
でも同意書には”本人の意思を尊重します”と書かれているからこれで良いと思う。
どうもこの先生とは相性が悪いようです。


【麻酔科の先生や看護師さんの説明】


【前処置】
術前の処置でニフレック(下剤)2リットルを2時間で飲む
      おなかがパンパンに張って苦しい、痛い。
      500cc残した。
      このとき既に腸閉塞の兆候あり
[ニフレック]
pic11.jpg

 
      
      

10日 【手術当日】
手術台の上で「...ですよ~」の声で目覚める。
のどにチューブが突き刺さったままで、ものすごく苦しい。
は、早くこのチューブを取って!!
声が出ないので伝えることが出来ない。

そのまま手術台の上でレントゲンを撮る
く、苦しい! 早くして!!

願いもむなしく、レントゲンの位置合わせに時間が費やされる。
ようやく抜管された時には、生き返った心地でした。

今まで4回手術しましたが、こんな事態は初めてでした。(;_;)


全身麻酔と硬膜外麻酔(こうまくがいますい)
[硬膜外麻酔のカプセルからのチューブが背中に埋め込まれています]
pic5.jpg  pic8.jpg

執刀のT先生「きれいに取れた」(^^)
 注)下の画像は、医療関係者の方もしくは、手術・解剖の写真が平気なかた限定画像です。不用意にクリックされませんように。
[摘出された嚢胞] 
こちらです。

お臍の周りをくりぬいたので、お臍はなくなる。
先生が代わりにくぼみを作ってくださいました。
でも、そのくぼみは小さすぎて”臍”とは言いにくい...

[手術室から病棟に帰ってきたところ]
pic1.jpg

[知らない間にナースコールを握らされていた]
pic9.jpg




11日 【歩け歩け】
手術翌日から、合併症になりにくくするために、どんどん歩くように指導を受ける。
pic7.jpg




19日 【抜鉤(ばっこう;ホッチキスの針を取る)】
注)下の画像は、医療関係者の方もしくは、手術・解剖の写真が平気なかた限定画像です。不用意にクリックされませんように。
[臍から真直ぐ下に20cmほど切りました] 
こちらです。




20日 【ドレーン】
S先生「体からのチューブを少しでも減らそうね。」ということで、廃液も少なかったのでドレーンを抜去。
体からでているチューブがストレスになっていたので、1本減って少し楽になる。

[ドレーン]
pic6.jpg

[チューブが多い!]
pic4.jpg




25日 【病理の結果】
病理の結果のコピーを手にしたT先生と廊下でバッタリ。
「良性と悪性の境界の腫瘍」との、どっちつかずの結果。
T先生「やっぱり、取ってよかった。」




28日 【膀胱造影】
膀胱に造影剤を入れてレントゲン撮影。
漏れもなさそうなので、尿カテーテルを抜いた。
長い間尿カテーテルをしていたので、トイレが近い。1時間おきに通う。尿意を感じたらすぐにトイレにダッシュしないと間に合わない。(泣)
膀胱に尿を貯められない。
(カテーテルを抜いてから1ヶ月経った現在では普通に貯められるようになりました)
[尿カテーテルからパックにたまる尿]
pic3.jpg




10月10日 【退院】



手術そのものは何の問題もなく終わりましたが、腸閉塞の合併症がおきました。
腸閉塞については、また改めて記事を書きたいと思います。





--- 尿膜管遺残の嚢胞とは何の関係もないエピソード ---
入院中のある日、病院入り口にたくさんの報道陣と警察が来て騒がしくなりました。
院内放送で「院長からのお知らせがあります。....にお集まりください。」
どなたが入院されたのかと思ったら、○○ピーの愛称でおなじみのタレントのN.Sさんでした。
もちろん彼女を病院内でお見かけしませんでしたけど、主治医がふじくろと同じ先生でした。

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コメント 13

クローヴ

大変だったのですね。
何と言っていいか…なのですが、応援のnice!です。
とりあえずは自宅でゆっくり出来るといいのですが…。
by クローヴ (2009-10-24 00:48) 

ぽんこ

とてもつらい手術、よく耐えましたね。
お大事にしてくださいね。

by ぽんこ (2009-10-24 09:30) 

pekorin23

手術だけでなくその前準備から術後に回復まで大変でしたね。お大事になさってください。
お医者さんに患者の気持ちを分かってもらうのは難しいですね。
前日になっていきなりついでに卵巣を取る?って聞くなんて、そんな気軽に言わないでほしいですね。。。
by pekorin23 (2009-10-24 10:50) 

keykun

こんにちは。^^
ヤッパリ!手術に賛否が分かれたのは~リスクが大きいと判断されたのでしょうね。^^;
デモ、逆に考えると~
体力のある今の時点で手術に踏み切られたのは良かったのかとも思いました。^^
本当に表現に苦慮するほどに大変な経過を経験され、又開示された勇気に感嘆致しました。^^
機会が有れば、是非~季節の便りの記事にも触れたく思います。^^)v
速い・・体力の御回復を・・・・。^^)vvv

by keykun (2009-10-24 11:38) 

★とろ

こんにちは~
大変な日々だったのですね。ふじくろさんの強さと過ごした日々を
垣間見て鼻がツーンとなって泣けてしまいました。
これから寒くなります。お体くれぐれもお大事にしてくださいね^^
by ★とろ (2009-10-24 12:07) 

minaka.707

大変でしたね。。(>_<)。
合併症ですか・・・防ぐのはやはり難しいのでしょうね。
そしてふじくろさんのファイトが凄いです!
年下ですが、ふじくろさんの頭を撫でてあげたいです (o・_・)ノ”(ノ_<。)
応援してます(*´ー`*)
by minaka.707 (2009-10-24 22:21) 

manny

退院されて、その後体調はいかがですか?

管がたくさんついたふじくろさんの写真。とても痛々しくて・・・
頑張っていらっしゃるふじくろさんの姿を、しっかりと拝見させていただきました。

本当に大変な決断と経験をされているのに、
どんな時も前向きなふじくろさんを心から応援してます☆
元気になってくださいね。
by manny (2009-10-25 16:05) 

miopapa

学生時代にも
ラグビーをしてて、試合中に怪我をした先輩について病院へ行き
治療に立ち会ってて倒れるくらい、血を見るのが苦がてで気が小さい私
今は、受傷後人の手術灯の話や、ましてや写真を見るだけでも
神経のないはずの方から下が固まってしまい・・・・・
すっごくおつらいだろうし、大変な思いをされているのに
何もろくなコメントがかけなくて
    
でも、私なりに精一杯お気持ちは理解、いや!理解しようとしていますので
by miopapa (2009-10-25 18:51) 

ふじくろ

>>クローヴさん
何もおっしゃらなくても大丈夫です。(^^)
優しいお気持ちが十分に伝わってきて、とっても嬉しいです。
応援ありがとうございます!


>>ぽんこさん
ありがとうございます。
子供が大人に誉めてもらったようで、恥ずかしくも嬉しいです。(^^)


>>pekorin23さん
お見舞い、ありがとうございます。
先生には患者の気持ちまでは、なかなか分からないでしょうね、きっと。
ふじくろも先生の気持ちがわかりませんもの。。。(*´▽`*)
卵巣のことは、いきなり提案されたのでリサーチも充分に出来ず、慌ててしまいました。


>>keykunさん
リスクがあると言われた手術も、おかげさまでなんとか無事に終わりました。
そうですね、もっと年をとって体力がなくなってしまってから手術なんて...
考えただけで恐ろしいです。
おっしゃる通り、今のうちにしておいて正解だったかもしれません。
>季節の便り
そうなんですよ〜、こんな陰気な記事よりも華々しい(?)記事が書きたいです。
お花や木や草や....そんな写真を撮ってUPしたいです!


>>★とろさん
強くなんかないですよー、ゼンゼン。ヾ( ̄o ̄;)
治療も「苦しくなって我慢できなかったら、いつでも止めよう」ぐらいの構えです。(^◇^;)
いつのまにか空気が冷たく感じるようになって、これからは感染症に注意ですね。


>>minaka.707さん
ファイトなんか、まるで皆無なんですよ〜、実際は。
入院中も「がんばるぞ!」みたいな発奮は一瞬もありませんでした。(^◇^;)
でも、minakaさんに(想像上)頭を撫でてもらえて嬉しいです。(^^)
応援ありがとうございます。


>>mannyさん
ありがとうございます。
おかげさまで、入院前の7割くらいに戻りました。(^^)
>管がたくさん
そうなんですよね、思いもかけず腸閉塞になってしまったためにチューブが増えてしまいました。
>どんな時も前向き
えー、とんでもないです。全然そんなことないです。
でも、応援ありがとうございます。


>>mopapaさん
わー、ラグビーですか、すごいですね!
血を見るのが苦手な方は多いですよね、特に男性は。
ふじくろも手術なんて大嫌いなのですが、
「まんじゅう怖い」のように、そういっている人間のところに手術がやってくるのかもしれません。(^◇^;)
miopapaさんの優しいいたわりのお気持ちは、十分ありがたくお受けしました。
ありがとうございます!

by ふじくろ (2009-10-26 00:18) 

向日葵

↑ 応援`nice!`です。
by 向日葵 (2009-10-28 13:38) 

ふじくろ

>>So☆meさん
niceありがとうございました。


>>向日葵さん
いつも応援ありがとうございます。
by ふじくろ (2009-10-29 11:20) 

グッチ サングラス

今日は~^^またブログ覗かせていただきました。よろしくお願いします。
by グッチ サングラス (2012-11-14 03:13) 

ふじくろ

>> グッチ サングラスさん
ご訪問ありがとうございます。
えっと、どちら様でした...?
by ふじくろ (2012-11-14 15:27) 

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