SSブログ

日本では医療がどのくらい信頼されているのか?国際比較してみました [癌以外の医療情報]






医療を否定する書籍が注目されたり、なにかと医療不信の声を聞くことが多い昨今ですが、アメリカの研究結果が"The New England Journal of Medicine"という信頼度の高い医学雑誌に掲載されました。
29の国・地域で医療への信頼度を調べてみた結果だそうです。 


医師に対する信頼度で、日本は60%で29カ国中23位。直近の診察に満足している人は30%で20位でした。

Public Trust in Physicians — U.S. Medicine in International Perspective — NEJM
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1407373

中段にある表をクリックすると各国のデータを観ることができます。


日本は「まぁだいたい世の中では医師は信頼されていると思うけど(60%)、この前の診察に満足した人は30%」といったところでしょうか?

なんだか満足度がとっても低いですね。


表計算ソフトでグラフを作ってみました。

緑:Satisfaction with the Treatment You Received When You Last Visited a Doctor (Completely or Very Satisfied)%
(直近の診療に満足したか?(完全に満足 または とても満足)%)

青:All Things Considered, Doctors in Your Country Can Be Trusted (Strongly Agree or Agree)%
(全体として見て、あなたの国では医師が信頼されているか?(強く同意 または 同意)%)

(クリックで別ページで拡大、赤い枠が日本です)



「信頼されていると思う」人と「満足した人」を合計して、信頼と満足のベストとワーストを見ると、こんな感じでした。
ベスト1位のスイスは信頼度と満足度を合わせて、最も高い国です。
ワースト1位のロシアは信頼度も満足度も最低ということになります。


ベストワースト
1 スイス1 ロシア
2 デンマーク2 ポーランド
3 ベルギー3 リトアニア
4 オーストラリア4 ブルガリア
5 イギリス5 チリ
6 ノルウェー6 韓国
7 オランダ7 クロアチア
8 フィンランド8 台湾
9 スウェーデン9 日本
10 南アフリカ10 スロバキア


西欧では良い結果ですが、東欧やロシアなどはよくないですね。


財政が厳しくて満足できる診療ができない国というのはわかるのですが、
「日本は世界に誇る医療技術を持っている」と誰かがいっていたような気がします。
日本の健康保険は崖っぷちと言われていますが、「国のお金がないので治療できない」というところまではいっていませんよね。

では、なぜこんなに低いのでしょうね??

皆様はどう思われますか?





タグ:医療 信頼 満足
nice!(3)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 3

コメント 10

赤いApple

ふじくろさん、こんにちは。

今や、日本の医療は崩壊寸前です。日本国には国民皆保険制度があり、風邪くらいでも気軽に病院を受診は当たり前の感覚でしょう。

医療が身近で当たり前感覚だから、医師の態度が悪いと物凄い不平不満を口にする患者さんが非常に(異常に)多い気がします。本来、医療は贅沢で高級なサービスです。それを知らないから文句ばかり平気で言うのでしょう。UPされているグラフの結果はその現れではありませんか。

以下は、かなり古い記事になりますが、一部引用とそのURLを貼っておきます。

李啓充先生(ハーバード大学医学部助教授)
日本はそのなかの例外で、医療というものをぜいたくな社会サービスとして認識していないわけです。国民を死なせない程度の最低限のサービスという認識が国家としてなされているんだろうなと私はいつも思っているんですけれども、日本の医療に対する金の使い方は先進国のなかでは最低の部類で、イギリスと最下位を争っている。
http://www.med.or.jp/nichikara/lee.html
by 赤いApple (2019-11-01 21:40) 

ふじくろ

>>赤いAppleさん

一番感じるのは、ネットの掲示板やSNSで医療不信の声が多いことなのですが、ほとんどが根拠がないのが不思議だと思っています。
おそらくご自身の体験から、目の前の医師不信→医療全体への不信にエスカレートするのだと思うのですが..
医療者も患者も歩み寄りが必要かもしれません。
by ふじくろ (2019-11-02 00:30) 

赤いApple

Googleの日本の病院に対する口コミは悪い意味で考えさせられます。
病院の待ち時間ぐらいで酷い文句を書いているユーザーが目立ちますが、日本以外の他国の医療をもっと知るべきだと思うのです。

医療については、保険制度自体が日本と他国では異なるので比べられませんが、もし日本に国民皆保険がなかったら、あんな酷い口コミは書けないのではと思うのです。

イギリスは医療費が無料〜と言われますが、ではアメリカのような高度な医療を誰もが受けられるのかと言ったら受けられません。
また風邪をひいたら病院へ当たり前に行ける日本人全てが、イギリスのような医療に満足するかと問われたら、決して良い答えは返ってこないように思います(もちろん在英日本人に医療について訊ねたら千差万別, 人それぞれだと思います)。

それから、医者も患者も人間。人間 対 人間なので難しいですが、
> 医療者も患者も歩み寄りが必要かもしれません。
ふじくろさんに同感です。


かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000493971.pdf
↑ を、さっきまで読んでいました、わたし。
by 赤いApple (2019-11-02 08:05) 

ふじくろ

>>赤いAppleさん
政府は大病院の混雑を緩和しようと「かかりつけ医」を推進していますが、現状ではまだ総合診療・プライマリ・ケア科のクリニックが少なく、なかなか進まないのかもしれません。
by ふじくろ (2019-11-02 11:18) 

赤いApple

確かに、ふじくろさんのご返信内容は、一理ありです。

ところで、お話が180度かわりますが、先日の真夜中に眼が覚めてしまった時にベッドの中からiPhoneで「ふじくろさんのBlog内のお菓子作り」を拝見していました⭐︎
美味しそう♪ 食べたい!食べた〜い♪と思ってしまい、お腹グーグーでした。深夜の甘いものの誘惑は特にヨダレが止めどなく勝手に流れてきて、もう空腹に耐えるのに大変でした(^-^;) お写真だけでも目の保養になりました。ご馳走さまです♪♪
by 赤いApple (2019-11-02 14:25) 

ふじくろ

>>赤いAppleさん
そういえば数年前にお菓子・パン作りに夢中になっていました。
お腹の手術をしてからは中断しているのですが。
全くの素人で出来も悪いものばかりでお恥ずかしい限りです。
by ふじくろ (2019-11-02 22:07) 

赤いApple

ふじくろさん、こんにちは。度々失礼いたします。

わたしは約5・6年前に、個人的な興味からアメリカの医療保険制度と日本の医療保険制度の違いについて知りたくて、何ちゃら医療ジャーナリストが書く本や、以前に少しだけ引用させて頂きました李啓充氏の本を買い込み読みました。しかし、ここ最近になり考え方が変わりました。以前に書かせて頂きましたが、確かに医療は贅沢で高級なサービスであることに変わりはありません。でもしかし、下記「統合医療」や「混合医療」について考えていたら、日本においては、アメリカのような医療なんて必ずしも必要ではないと考えています。

1. まず、統合医療 (日本医師会HPから, 一部引用)
・・・ 統合医療とその問題点 ・・・
現時点での統合医療は玉石混淆でエビデンスに乏しいため、患者の安全・安心は十分に確立されているとは言い難い。藁をもつかむ気持ちの患者の求めに応じて、エビデンスを追求することなしに統合医療を推進することは適切とは言えない。
さらに憂慮されることは、統合医療の推進を医療費削減に繋げようと目論む者達の存在である。(中略)医療は国家にとっての大事なインフラであり、国民の安心・安全の基礎といえる。

(日本医師会)
http://www.med.or.jp/doctor/member/kiso/d20.html

2. 次に、混合医療 (全国保険医団体連合会HPから, 一部引用)
・・・ 混合診療で、医療の選択肢は狭くなる ・・・

混合診療を推進する人たちは、保険で認められていない新しい医療技術や薬の例を持ち出し「混合診療が解禁されれば、これらが使えるようになり、患者の選択肢が広がる」などとさかんに宣伝していますが、これは全くの逆さまの議論です。

(全国保険医団体連合会)
https://hodanren.doc-net.or.jp/kenkou/gkhtml/gktop/gk4s/gk4s3p/gk4s3p.html

最後に、私事になるのですが、
朝から現在病院より処方を受けているお薬の整理をしていたのですが、頓服代わりに服用のお薬が半端ではない数残っています。あくまでも私のケース、服用しなくて済む不必要なお薬の処方は控えようと思いました。次回、医師に申し出ます。そして通院の引退が可能であれば通院をやめようと真剣に考えています(通院の引退については個人的な思いからです(笑))
by 赤いApple (2019-11-10 12:38) 

ふじくろ

>>赤いAppleさん
そうなのですか、私はアメリカの医療制度は詳しくは知りません。
1はその通りだと思います。でも例えば標準医療を受けていて、さらにできる範囲でヨガなどをするのは問題ないかと思います。それで患者が医療を否定するわけでなく、むしろ「ヨガを始めたら便秘が軽減してよく眠れるようになった」などという恩恵があるのでしたら、それはそれで良いことだと思います。
2の混合診療は難しい問題だと思います。ちょっと簡単には書けません。賛成派も反対派も両者の言い分はわかります。

通院をおやめになるにあたっては(私が言うのも変ですが)よく主治医と話し合った結果でしたら赤いAppleさんの決断を尊重します。

by ふじくろ (2019-11-10 18:46) 

赤いApple

ネットということから医療の話はこれで最後にします。

日本で、これから先もしも、
(A)西洋医学と(B)東洋医学の2点がセットになって「商品」として売り出されたら、患者はA若しくはBだけを受けたい気持ちがあっても、AとBの医療行為のセットを買わなければ医療が受けられなくなってしまった場合、選択肢はなくなってしまいます。アメリカの医療保険制度が正にそんな感じで保険(民間保険)を買って加入しても、その医療プランの内容は非常に複雑で人それぞれ違ってきます。不要な医療行為までプランに入っていたりしますからね。アメリカの医療保険は商品という位置づけですから。

例の都内S大病院を例えに、やれセレブ病院だの何だの噂がネット上にはゴロゴロと転がっていますが、でも実際に病院へ行った人なら理解できると思いますが、患者の立場から見た病院内の総合窓口で見かける患者さんたちの多くは至って普通だし(自費診療省く、日本には国民皆保険制度があるからだと思いますが)、それから病院内外(何処の国を例えた高級ホテルと呼ばれるのかも私には正直言って理解できません)も極々普通の病院に私からは見えます。
でも、(A)国民皆保険制度で受けられる保険診療と(B)差額ベッドがセットになって売り出されてしまったら、一般的な普通の患者さんはS病院へは行けなくなってしまいます。そうなってしまった時には、本当の意味での小金持ちがかかる病院という事が言えるでしょうね。

以下は本当に私の個人的な感想です。
S病院を見ていると不思議で不気味な「カタコンベの聖人」を連想してしまうのですよね。病院の中では「明日、クビになってしまうかも」な医師たちが縦割り**の中で怯えながら小金持ちを相手に「おもてなし医療」をせっせと行っているのだろうか〜と色々と複雑に考えてしまうことがあるのですよね(誤解がないように繰り返し書きますが、これはあくまでも私の個人的な感想です)。

ネットということもあり、言葉を選び書きましたが不適切な発言がありましたらお許しください。
by 赤いApple (2019-11-17 13:34) 

ふじくろ

>>赤いAppleさん

統合医療もエビデンスがなければ患者にとってのメリットはないでしょうね。アメリカの医療でもエビデンスに基づいた医療が基本で、その線は今後も世界中で続くと思います。

S病院がセレブと言われているのは基本的に個室入院で差額ベッド代がとても高いことも関係しているのではないでしょうか。プライバシーを守りたい芸能人がよく入院しているようですし。
(複数人部屋もごく少数あるにはありますが、めったには入れません)
通院だけで入院するような治療をされていない患者さんにとっては、他の病院と費用的には差がないと思います。
あの病院は入院費用がネックになって、なかなか誰でも利用できるという状況ではないですね。
私の場合は全く関係ない理由からあの病院に入院しました.。個人的にせざるをえない状況だったのですが..

ご意見ありがとうございました。
by ふじくろ (2019-11-17 13:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。