乳がんの治療でイヤだったこと(長文) [がん関連]
来月(10月)から乳がん月間ですね。
簡単に言うと「乳がんのことをもっとみんなに知ってもらおう&気をつけてもらおう」というキャンペーンです。
今年もイベントがあちこちで始まってますね。
去年よりも増えたみたいで嬉しいです。
以下、一部だけ紹介です。
asahi.com ピンクリボンフェスティバルでは最長11km歩く「スマイルウオーク」など
エスティ ローダー 乳がん早期発見啓発キャンペーンでは六本木ヒルズでのイベントなど
Yahoo! JAPAN ピンクリボンキャンペーン2007ではデザインの募集など
2007ブレストケア・ピンクリボンキャンペーンin広島ではサンフレッチェ広島の選手・監督がピンクの何かを着用するなど
琵琶湖ピンクリボンフェスタ2007では大津で講演会など
東京都庁 ピンクリボンin東京2007では都庁のライトアップなど
で、ふじくろも負けじと(なにに?)関連記事を書こうと思うのであります。(*^ー^*)
がんの治療なのでイヤなことだらけにきまっていますが、そのなかでも「これだけは....」というものをいくつか書いてみたいと思います。
今日はその第1弾。(^⊇^)
半分愚痴になっちゃってるし、長~い文なので読みにくいと思います....すみません。
『乳がんの治療でイヤだったこと』の栄えある(?)1位は「腋窩リンパ節郭清」でした。
この先、患部の画像(もちろん、ふじくろ本人の)が出てきますので「そういうの、ぜんぜんヘイキ~」という方のみ、お進み下さい。
乳がんの手術では、乳房の一部または全部を切除します。
それだけではなく、さらに腋窩リンパ節郭清という手術も同時に行われます。
「なにそれ?」ですよね。(^―^;
腋窩リンパ節郭清は「えきかりんぱせつかくせい」と読んで、わきの下のリンパ節を取り除く手術です。
数年前まではわきの下のリンパ節(とその周囲のリンパ腺、血管、脂肪などの組織)をごっそり全部採ってました。
現在は「センチネルリンパ節生検」といって、一部だけ採る手術もされています。(医療施設によって違いますが、近年増えてきました。)
詳しくはネット上のいろいろなところで調べられますが、例えば乳がん.jpというサイトの「手術について」に図入りの説明があります。
最近なぜ一部のみ切除するようになったのかというと、上腕の運動障害や知覚異常、わきの下の浮腫や腕のむくみなどを減らすためです。
大きく採ってしまうと、それだけ後々影響が大きいからです。
ところでこの「上腕の運動障害や知覚異常」って聞いてピンときますか?
なんだかピンときませんよね。
ふじくろは7年前に腋窩リンパ節郭清を受けました。
手術前の説明では「(考えられる後遺症・副作用として)運動障害があるけど、うーん、手術後に腕が上がらなくなったりするけど、リハビリで治るから」と言われました。
その頃は手術のことについて何の知識も持っていなかったため、「一時的に障害がでるけどリハビリすれば全員治ってしまうものなんだ。」と軽く受け止めていました。
まさかこの腋窩リンパ節郭清によってこんなに自分が苦しむことになるとは、想像さえ出来ませんでした。
術後の、運動障害を治す為のリハビリは、普通数週間程度で終わります。
が、ふじくろは2年半もリハビリに通って、結局治りませんでした。(T_T)
腕が上がることは上がりますが、かなり苦痛を伴いますし、3分程度しか上げた状態を維持できません。
腕を下ろしているときも、無意識に左腕(患部が左側なので)に力が入っていて、四六時中何かで引っ張られている感じがします。
重たいものは持てません。
正確に言うと「持てる」のですが、数十分後にかなり激しく腕が痛みます。
お買い物の荷物はなるべく少なくして、バッグは軽い素材のものしか使えません。
手に持つタイプのバッグよりも肩からかけるタイプのほうが幾分ましなので、そういうバッグを選んでいます。
携帯電話も、腕の負担にならないように、バッグに入れずポケットに入れるようにしています。
腕を上げる動作をしたあとは、腕が重く感じられ、肩甲骨やわきの下にシビレがきます。
ピリピリして、ちょうど針で突かれているような感じです。
組織をごっそりとっているため、見た目も非常に悪いです。
(一部ボカシなどの修正をしています)
腕を上げて斜め下から写しましたが、ごっそり採られているのがわかりますか?
ノースリーブの服などは、そのままでは着れません。
なぜって、例えば電車のつり革などにつかまった場合、患部が前に座っている人に見えてしまってビックリされるに違いないからです。
自分自身は「見られると恥ずかしい」という感情はないのですが、人に引かれるのが苦痛です。
腕を下ろした状態なら、あまり目立たないかなって感じではありますが....
そんなこんなで、当初はものすごく凹んでいました。
「こんなことになるなら腋窩リンパ節郭清しなければよかった」と思いましたし、今でも思っています。
なので、4年前に反対の右側ががんになったとき、腋窩リンパ節郭清は断固拒否しました。
(注 ふじくろは左側に癌ができてから3年おいて反対の右の乳房にも癌ができました)
左側だけの障害なら右腕でカバーできたりもしますが、右にも障害が残ったら両腕が不自由ということになってしまうからです。
もちろん主治医には反対されましたが、「腋窩リンパ節郭清するくらいなら、がんの手術もしないでこのまま死のう」と思ってましたから…..主治医も翻すことができない固い決意です。
後遺症・副作用の出方は人それぞれ違います。また、それらの感じ方・受け止め方も違うと思います。
実際、患者同士で話していてもリンパ節郭清が一番キツかった...という話は聞いたことがありませんし....
それに全ての人がこうなるわけではありません。
ふじくろはこれまでに手術、放射線、抗がん剤、ホルモン治療をしてきました。
殆ど乳がんの治療フルコースですね。(^―^;
よく「(乳房を切除したことによって)女性としてのシンボルを失った」とか「抗がん剤で髪の毛が抜けてひどくつらい思いをした」とか耳にするのですが、それらのことよりも数倍この腋窩リンパ節郭清はつらいものでした。
って、過去形じゃなくて今でもつらいけど、当時よりはマシということです。(^-^)
最後に、長文・駄文をここまで読んでくださった方へ
ありがとうございました。
こんばんは。^^
乳がんの治療のフルコースを~経験されて、
今こうして情報として発信されている・・・・。
生きるという事への勇気を感じます。
人生を実り有るものにする為にも、省みるべき事多数です。
力が湧上る想いです。こちらこそ感謝します。
有難う御座います。
by keykun (2007-09-14 20:59)
大変な経験をされたのに
情報の公開ありがとうございます。
by rira (2007-09-15 17:06)
>>keykunさん
書いているうちに半分愚痴になってしまって、お恥ずかしい限りです。
(^ー^;
誇張もなく自分が感じることを淡々と書いたつもりだったのですが、うーん難しいですねー思いを伝えるのは....
でも何かの形でkeykunさんに伝わったと思えることが嬉しいです。
(*^-^*)
いつも励ましのお言葉をありがとうございます!
>>kasamaさん
>本当は見掛けよりも、もっと苦しい思いをしていたのですね
多分そうだと思います。このふじくろのつたない文章表現で、そこまで伝わったことがとっても嬉しいです。
書いてよかったぁー。
かつて乳がんのことであれこれ思い悩んでいた頃、先輩患者さんたち(?)の体験談がすごく参考になりました。
生きた情報は、医療情報の何倍も力を与えてくれました。(^^)
だからふじくろも体験談を書きたいです、もっと、もっと....
昨年もkasamaさんに協力していただいたことに感謝しています。でも、何もされなくても、このような内容のブログを読んでいただくことだけで充分感謝しています。
本当にありがとうございます!
>>riraさん
いえ~、こちらこそコメント頂けて嬉しいです。
もう今となってはそれほど”大変な経験”って実感もないので、なんだか恥ずかしい気持ちです。(^⊇^)
by ふじくろ (2007-09-16 00:50)
本当に大変なことなんですね。
少しでも苦痛がやわらぐように…と願います。
毎年の乳ガン検診というものが非常に重要なものなのだなぁ…
と実感しました。
by ぽんこ (2007-09-16 09:28)
>>ぽんこさん
お気遣いありがとうございます。
しかもこんな面白味のない長文を読んでいただけて、嬉しいです!
ぽんこさんに少しでも何かが伝わったみたいで、本当に書いてよかったです。(^-^)
by ふじくろ (2007-09-16 12:08)
うちの家系の女性陣は代々、子宮とか乳ガンとか、そういった病気が多いので、母は常々しっかり検診を!と言っております。
もちろん、祖母も母も定期検診欠かさず行ってます。
検診で早期発見出来れば、治療法も色々とバリエーションが増え、個々人の要望や考え方に応じた対応が出来るのだろうなと。
しっかり勉強させて頂きました!
by chakky (2007-09-18 19:03)
>>chakkyさん
>うちの家系の女性陣は代々
そうなんですか、最近乳がんについての研究で、ある種の乳がんは遺伝と関係していることがわかりました。日本人の場合です。
血縁関係者に卵巣がん、乳がんがあった場合は充分お気をつけくださいね。
お母様の仰るとおりですね、検診は大事ですね。
あ、医療機関の検診だけでなく、自分でする簡単な検診も充分有効ですよ。(^-^)
8割程度の乳がん患者は、自分で発見して病院へ行っています。
>検診で早期発見出来れば、治療法も色々とバリエーションが増え、個々人の要望や考え方に応じた対応が出来るのだろうなと。
そうなんです! 全く仰るとおりです。
発見が遅れれば遅れるほど、選択肢が減っていき、不利な情況になっていきます。
by ふじくろ (2007-09-19 18:10)
こんにちは
腋窩リンパ節郭清という言葉さえ知りませんでした。
がんの治療は手術自体や副作用以外にもお辛いことがあったのですね。
みなさんおっしゃるとおり、公開は大変な勇気の要ることであり、難しいことでもあったと思います。
頭が下がります。
私は自分のYahooのアバターにピンクリボンを貼るくらいしか思いつきませんが、できることからやってみたいと思います。
by pekopeko23 (2007-09-19 22:57)
>>pekorinさん
ご声援ありがとうございます!
それから、こんな文でも読んでいただいて嬉しいです。(^^)
公開には多少の勇気がいりますが、それは自身をさらけ出すからではなく、ご覧になった方が不安を感じてしまわないかどうかを一番心配していました。
もっともっといろんな事を発信していきたいですが、こういう問題は、やはり難しい面もありますねー。(^^)
アバターにピンクのリボン....?
そっかぁ、それもいいアイディアですよね。
教えていただいてありがとうございます。ソネブロでも何かできないか、探してみますね。(^⊇^)
by ふじくろ (2007-09-20 23:34)
本当に辛い思いをされたのですね。
そして今尚現在進行形。。
何もかける言葉がありません。
それでもこうしたブログを立ち上げて、ご自身の体験談を交えながら、
警告を発し、尚、前向きな姿を見せて下さっているふじくろさんに
本当に頭が下がります。
貴方をお手本に、(戦う相手は一寸違いますが)
ワタクシも「精一杯頑張りたい!」と思います。
by 向日葵 (2008-11-16 23:56)
>>向日葵さん
ありがとうございます。
ツライと言えばつらいような,そうでないような....
同じような思いをされている乳がん患者さんが少なくはないのでは?と、想像しています。
特に警告を発しているつもりではないのですが、他の乳がんに関心のある方たちと情報の共有ができればと思います。
前向きでも後ろ向きでもなく、常にニュートラルでありたいと常々思っています。(*' ▽' *)b
by ふじくろ (2008-11-17 18:27)
私もリンパ切除の後遺症に今苦しんでます。
参考になりました 有難うございます。。。
by みのやん (2009-07-28 10:09)
>>みのやんさん
はじめまして、こんにちわ。
そうなんですか....
これは2007年9月に書いた記事ですけど、その後2009年4月に対側(右)のリンパ節郭清をしまして、ダブル後遺症となりました。
みのやんさんの後遺症が少しでも軽くなりますように.....
by ふじくろ (2009-07-28 16:47)