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映画『動物農場』 [映画]

 
 
 
Animal Farm

邦題 : 動物農場


公式ホームページ http://www.ghibli-museum.jp/animal/
official site : 不明

TOP.jpg




Country: UK
Directed by: Joy Batchelor , John Halas
Writer: George Orwell



有能な豚が中心になって、ひどい人間の農場主を追い出して、動物たちだけで農場を経営することになります。
「全ての動物は平等である」という理想を掲げ、自分たちの戒律を作ります。

しばらくはうまくいっていた農場経営ですが、豚たちが権力を持つようになります。

反対する動物は弾圧し、戒律は豚たちに都合のいいように書き換えられてしまいます。

動物たちは決起し、豚たちのいる小屋へと向かうのですが....



 
 



予告動画はみつかりませんでした。




原作はイギリス人作家ジョージ・オーウェル原作の『動物農場』。
ソビエト共産党の内部腐敗や全体主義批判の小説らしいです。

映画は1955年に英米で一般公開されたそうです。
54年も前なのですね。


実はこの映画を「動物さんたちが登場するかわいいアニメーション映画」だと思って観に行ったのですが、
第2次世界大戦後の共産主義批判のプロパガンダ映画だったとは!
( ̄∀ ̄*)!!


動物たちは農場での過酷な労働を強いられ、豚たちは暖かいお部屋で食べて呑んで肥えていきます。
Fire.jpg




ロシア革命、共産革命、レーニン、スターリン、トロツキー、ファシズム、支配階級と労働階級などなど。
そういった教科書的なことはちょっと置いておくとしまして....

ふじくろ的に簡単に言ってしまうと、
たとえどんな理想を掲げて為政しても、支配するもの富めるものと支配されるもの貧するものに階層化していくっていうことだと思います。

共産主義でも資本主義でも、
昔でも現在でも、
”搾取する側”と”搾取される側”という構造はかわらないと。
目に見えやすいか見えにくいかの違いはありますが。



この作品は三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーの提供ですが、宮崎駿監督のコメントが興味深いです。

宮崎監督曰く「セレブって豚のことでしょ。今、豚は太ってないんだよね、ジムかなんかにせっせと通ってスマートだったりするから。」だそうです。

こんなことをさらっと言ってのける宮崎氏はすごいと思いました。

ワーキングプアやハケンなど、今の日本の状況もこの映画と同じだとおっしゃってます。
また、こんなことも....
「(人材派遣会社とか保育や介護の)働いている現場は、ひどい低賃金と重労働でやっているから、やり手がいないとか、離職率が高いとか問題にされているけれど、企業はそのへんを改善する気は全然ない。」
(ふじくろはこれに加えて医療の現場も同じだと感じています。)



年末年始のTVニュースを見ていますと、
新年に向けて美容院でおめかししてもらうワンちゃんたちが画面に映ったかと思うと、
公園での炊き出しの食べ物に感謝する失業者の方達の姿も映し出されていました。

宮崎監督のコメントを思い出しながら、その画面をただぼーっとみつめていました。





個人的評価 星5つ★★★★★が最高です。
映像美   ★
音響    ★
ストーリー ★★★
総合    ★★★






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コメント 9

duke

確か以前本を読んだと思います。
社会を作る人の心は複雑ですね。。
by duke (2009-01-02 02:37) 

keykun

おはようございます。^^
最初は、ウシ君の出るアニメ作品・・・新年だな~と言う印象でしたが。^^;;
比喩に富んだ作品ですね。
社会構造を大きく変えるには・・・経済構造の変革でしょうか?^^
渋好み・・良い作品ですね。(特に今の子供たちに見て貰いたいです。)

by keykun (2009-01-02 08:51) 

ふじくろ

>>dukeさん
そうなんですか、幅広いジャンルの本を読まれているのですねー、すごい!
ふじくろは、かつてこんな本がベストセラーになっていたなんて全く知りませんでした。(^◇^;)
政治的な作品でしたが、究極は人間の心・本質が描かれているのかもしれませんね。(^^)



>>keykunさん
こんなに社会的メーッセージそのものの作品は最近少ないですから、ふじくろもてっきりただの動物アニメーションかと誤解していました。
お話が進むにつれて「え? え....?」という場面に、次第に引き込まれていきました。(^^)
(日本では)世代によって様々な感想をもたれそうな作品ですが、子どもたちをはじめ多くの方々にとって興味深い作品かな?と感じました。



>>筍ENTさん
niceありがとうございました。

by ふじくろ (2009-01-02 14:10) 

riku

明けましておめでとうございます(^^)!
今年もよろしくお願いします~!

by riku (2009-01-03 12:46) 

ふじくろ

>>rikuさん
あけましておめでとうございます。
昨年はたくさんのnice、コメントを頂きありがとうございました。
今年もよろしくお願いします。
by ふじくろ (2009-01-03 18:00) 

ふじくろ

>>向日葵さん
niceありがとうございました。
by ふじくろ (2009-01-03 18:01) 

タロウ

ベイブとは似ても似つかない映画なのね~。(´д`)
映画の内容よりも、ふじくろさんのコメントの方が考えさせられました~。
世の中、矛盾だらけな気がします。(´_ゝ`)
by タロウ (2009-01-03 21:17) 

ふじくろ

>>DSilberlingさん
niceありがとうございました。



>>タロウさん
あはは、そうですねー、『ベイブ』は微笑ましい映画でしたね。
同じ豚でも、この映画に登場する豚たちはかなり違うようです。(^◇^;)
この映画を簡単にまとまりのある記事にすることができなくて、とっても悩んだのですが、”何か”を感じていただけたようでうれしいです。(*^ー^*)
by ふじくろ (2009-01-03 23:19) 

ふじくろ

>>riraさん
niceありがとうございました。
by ふじくろ (2009-01-05 17:21) 

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