映画 『キング・コーン』

　
　
　
King Corn
邦題　：　キング・コーン　世界を作る魔法の一粒

公式ホームページ　http://www.espace-sarou.co.jp/kingcorn/top.html
official site : http://www.kingcorn.net/

Running Time: 90 Minutes
Country: United States
Directed by: Aaron Woolf
Cast: Ian Cheney, Curt Ellis, Stephen Macko, Chuck Pyatt, Ricardo Salvador
ドキュメンタリー


人間の身体はコーンで出来ている！？

大学を卒業したばかりの親友イアンとカートは、ある研究所で自分たちの髪を分析してもらい、
その炭素がトウモロコシ由来であることを知ります。

なぜトウモロコシなの？

彼らは真実を探るべく、1エーカー（４０４７㎡）の畑で、トウモロコシの栽培に挑戦します。

農業は初心者の二人でしたが.....



　
　



予告（中央の「再生する」ボタンまたは左下の三角マークボタンをクリックすると再生されます）






近所の農夫の助けもあり、農作業は順調でした。
[農夫にトラクターの運転を教わる]

化学肥料をタンクで大量に撒きます。
除草剤も大量に噴霧します。


収穫もすべて機械化されていて、あっという間に終わります。

トウモロコシが初心者でも簡単に大量生産されていきます。

収穫されたトウモロコシは家畜の餌となり、コーンシロップ（甘味料）に加工されたりします。


取材を重ねわかってきたことは....？
なぜ人間の身体はトウモロコシで出来ている？




[多すぎて貯蔵庫に入りきらないので野積み]

[トウモロコシ山で遊ぶ]

この作品には様々な問題がてんこ盛りです。
ファストフード、健康、環境、農業経済...etc

面白かったのでいくつか抜き出しました。


[化学肥料について]　（パンフレットより要約）
大量の化学肥料が土壌に解ける　→　川に流れる　→　海に流れ込む　→　藻が大繁殖する　→
海が酸化する　→　養殖魚類が死んでしまう




[除草剤について]
雑草を絶滅させるため、これでもかというほど大量に噴霧します。
でもトウモロコシは枯れません、大丈夫。

遺伝子を組み換えてあるので、薬品に耐性があるからです。




[牛の飼われ方]
昔は広い牧草地に放されていました。
現在は柵で囲った狭い舎の中に飼われています。

トウモロコシを与えられるので、草を食べるより早く大きくなります。
６ヶ月で出荷されます。（昔は２〜３年）

運動しないででんぷん質の餌を食べるので、筋肉の脂肪分が高い　→　市場に出回る安価な牛肉は高脂肪　→　人間が太る。
密集飼いなので病気になりやすい　→　病気になる前から日常的に、餌に抗生物質を混ぜる。




[トウモロコシの改良]
本来はいろいろな栄養素があったトウモロコシも、家畜飼料や食品加工に合わせて、殆どでんぷん質になるよう改良された。

除草剤にも負けないくらいの薬品耐性を持たせるため、遺伝子を組み換えた。




[糖尿病]
ニューヨークの８人に1人は糖尿病。








大量に栽培・飼育し、安価な食材・加工原料を市場に送り出す。
アメリカのシステムはとても効率的。


農民達は、かつての重労働農作業から開放されました。
一家総出で農作業しなくてもよくなり、息子娘達は都会の学校へ。



[二人の育てた品種は食用じゃないので、まずくてペッと吐き出す]

作品中のインタビューでの「健康を考えるのなら、安い食品は買わないこと。」が印象に残った言葉です。
わかってはいるけど、ついついスーパーで特価品に目が眩んでしまうのよね〜。(^◇^;)

牧草地でのんびり放し飼いされ、草を食（は）んで育った牛のほうが、
舎飼いされてトウモロコシ飼料で育った牛より、
肉の栄養価が高く、お値段も高いそうです。



映画『スーパーサイズ・ミー』(2004)、『いのちの食べかた』(2005)、『ファストフード・ネイション』(2006) 、『シッコ』(2007) に、つながるような映画でした。

ウィットに富んで親しみやすい作品。（^^）

壮大な実験をしてくれた二人とスタッフの方々に拍手！

ラストシーンでは、彼らのアンチテーゼを視覚的に堪能できます。
劇場で思わずニンマリしてしまった方もいらしゃるのでは....？　ふじくろみたいに....(*^ー^*)








個人的評価　星５つ★★★★★が最高です。
映像美　　　★★★
音響　　　　★★★
ストーリー　ドキュメンタリーにつき評価なし
総合　　　　★★★★




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タグ：キング・コーン　世界を作る魔法の一粒 トウモロコシ 家畜飼料 食品加工 化学肥料 除草剤 牛

コメント 6

こんにちは。＾＾
映画～キング・コング・・・を想起させる（私だけの早とちり？）題名ですね・・。＾＾
こんなもの喰ってると、キング・コングみたいに成るぞ～てなモノでしょうか。＾＾）ｖ
家畜の世界は～牛の世界でも、すでに共食いは当たり前に為ってしまって。
残飯で出来た、ペレットが主食みたいですね。穀物相場も影響した様です。
因みに、遺伝子組み換え作物との収穫量に、有為の差は見られなかったと、ある科学雑誌に。企業（国家？）の論理が優先の様です。怖いですね。後日～ＤＶＤ探します。
　
by keykun (2009-05-21 14:33) 

>>keykunさん
キング・コング....どなたかが仰ると思っていましたが、
やはり....(*^ー^*)
あんな筋骨りゅうりゅうでたくましい肉体になるのならいいんですけどね、
ぶよぶよ、ぷよぷよになってしまうみたいですよ。
２００４年のアメリカ人の肥満率は６０％を超えるそうです。

DVDを買おうかどうか迷っていますが、こんな観客動員力のなさそうなタイトルが日本で発売されるのか....気になってます。（^^）



>>minaka.707さん
>>★とろさん
niceありがとうございました。

by ふじくろ (2009-05-21 23:06) 

GWに観ようと思ってたのだけど、まだ見れてません＾＾；
面白そうですよね＾＾
命の食べ方も、スーパーサイズミーもDVDあるから、出るんじゃないかな？
あ、スーパーサイズは観ました！！＾＾
by duke (2009-05-22 12:38) 

>>向日葵さん
>>ぽんこさん
niceありがとうございました。


>>dukeさん
はい、面白かったです。
スーパーサイズ・ミーは見ているこちらが、胸焼けしてしまいました。(^◇^;)
あの脂肪の量には驚きましたし....とても面白かったです。（^^）
『キング・コーン』のDVDが発売されたら、もう1度観たいです。

by ふじくろ (2009-05-22 22:47) 

見たので、また来ました～～～＾＾
前半、寝てしまったので（またですか）知らないシーンをここで知りました＾＾；
なので、DVDが出たらまた見ます。
良い映画でした！＾＾
食べ物はきちんとしたものを選びたいですね。
by duke (2009-05-24 18:40) 

>>miopapaさん
niceありがとうございました。


>>dukeさん
再訪、ありがとうございます。（^^）
ご覧になったんですね〜。
最初の髪の分析だけじゃなくて、途中にも、もうちょっと引っ張るところがあると、睡魔に襲われなかったかもしれませんよね。
でも良い映画でしたね、また観たいです。(*^ー^*)

by ふじくろ (2009-05-24 22:15)